クラブへの処分決定は9月中旬頃か

　日本サッカー協会（JFA）は8月31日に臨時理事会を開き、J1浦和レッズの一部サポーターによる違反行為についての処分内容を発表した。浦和もこれを受けて、処分の詳細や今後の対応の流れを説明している。

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　JFAは「田嶋幸三ステイトメント～世界に誇れるスタジアム環境を～」と題した声明で、17人を無期限の入場禁止、1人を5試合の入場禁止とする決定を下した。田嶋幸三会長も「一部の心ないサポーターによって暴力や威嚇、破壊行為で侵されたことは極めて残念」と言葉を残している。

　問題の発端は、今月2日の天皇杯ラウンド16名古屋グランパス戦の試合後に起こった一部浦和サポーターの暴徒化だ。ピッチへの乱入、立ち入り禁止エリアへの侵入という愚行をはたらき、愛知県警が出動する騒ぎに発展した。

　浦和側は今月5日には立ち入り禁止エリアへの侵入を主導したサポーターなどに処分を科していたが、16日付で発表された続報リリースではJFAが実施してきた映像を用いた事実確認の結果報告を受けたことが報告される。新たに判明した違反行為として、暴力行為（警備員を押し倒したり、相手サポーターの胸倉を掴むなどの行為）、破壊行為（緩衝柵を破壊するなどの行為）があったとした。

　そうしたなかJFAは31日、臨時理事会の末に決定した浦和の一部サポーターへの処分を発表。17人を無期限の入場禁止、1人を5試合の入場禁止の処分を下している。

　これを受けて、同日浦和も「浦和レッズサポーターによる違反行為について（第3報）」と題して声明を発表。「弊クラブサポーターによる試合運営管理規定違反行為に関する行為者への処分が決定し、その通達を受けましたことを謹んでご報告申し上げます」と、処分者の内訳の詳細を明かしている。

【処分詳細】

■処分対象行為（1）暴力行為
対象者：サポーター1名
処分内容：無期限入場禁止
処分対象試合：日本国内で行われるすべての試合（日本サッカー協会主催試合に加え、Jリーグや各種連盟等が主催する試合を含む）

■処分対象行為（2）危険行為
対象者：サポーター2名
処分内容：無期限入場禁止
処分対象試合：日本国内で行われるすべての試合（日本サッカー協会主催試合に加え、Jリーグや各種連盟等が主催する試合を含む）

■処分対象行為（3）暴力行為および危険行為
対象者：サポーター2名
処分内容：無期限入場禁止
処分対象試合：日本国内で行われるすべての試合（日本サッカー協会主催試合に加え、Jリーグや各種連盟等が主催する試合を含む）

■処分対象行為（4）危険行為および破壊行為
対象者：サポーター6名
処分内容：無期限入場禁止
処分対象試合：日本国内で行われるすべての試合（日本サッカー協会主催試合に加え、Jリーグや各種連盟等が主催する試合を含む）

■処分対象行為（5）暴力行為、危険行為および破壊行為
対象者：サポーター1名
処分内容：無期限入場禁止
処分対象試合：日本国内で行われるすべての試合（日本サッカー協会主催試合に加え、Jリーグや各種連盟等が主催する試合を含む）

■処分対象行為（6）暴力行為、危険行為および威嚇行為
対象者：サポーター4名
処分内容：無期限入場禁止
処分対象試合：日本国内で行われるすべての試合（日本サッカー協会主催試合に加え、Jリーグや各種連盟等が主催する試合を含む）

■処分対象行為（7）暴力行為、危険行為、威嚇行為および破壊行為
対象者：サポーター1名
処分内容：無期限入場禁止
処分対象試合：日本国内で行われるすべての試合（日本サッカー協会主催試合に加え、Jリーグや各種連盟等が主催する試合を含む）

■処分対象行為（8）掲出不可エリアへの横断幕の掲出行為
対象者：サポーター1名
処分内容：入場禁止（5試合）
処分対象試合：日本サッカー協会が対象試合を指定

JFAによる上記最終決定を踏まえ、クラブ側で対応も変更

　またJFAによる上記最終決定を踏まえ、クラブ側で対応の変更も発表している。

■クラブ独自の追加処分として、処分対象者計17名の処分対象試合に国外での試合を追加し、「国内外を問わない、浦和レッズが出場する全ての試合」とする

■8月3日にクラブが発表した、立ち入り禁止エリアへの侵入行為に及んだ者のうち17名への処分の変更（JFAが今回発表した暴力行為等の「無期限の入場禁止処分」の17名と重複していることが確認されたため）。

処分変更対象者：立ち入り禁止エリアへの侵入を主導し、かつ処分対象行為（1）～（7）のいずれかに及んだサポーター17名
処分内容：無期限入場禁止
処分対象試合：国内外を問わない、浦和レッズが出場する全ての試合

　さらにクラブ側への処分内容は、JFAが9月中旬頃に開催予定としている規律委員会を受けて決定されることも同時に発表。浦和は「当該処分につきましてもその発表を待ち、厳粛に受け止め誠実に対応してまいります」としている。