イラン英雄がAFCに苦言「これでいいのか」 対戦国の監督も賛同「ここの環境は劣悪だ」

フットサル・アジアカップが開幕へ
日本の優勝で終わったU-23アジアカップは閉幕したばかりだが、フットサルのアジア最強を決めるAFCフットサル・アジアカップ(アジア杯)が1月27日に開幕を迎える。大会初日の27日には、ホスト国のインドネシアの試合を含めたグループAとグループBの4試合が行われることになり、高橋健介監督の率いるフットサル日本代表は28日に初戦のオーストラリア戦を行う。
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27日には28日に初戦を行うグループCとグループDの記者会見が行われ、各国の監督がこの大会に向けた意気込みを語った。グループCの会見は問題なく終わったのだが、グループDの会見は終始ピリピリとした雰囲気で行われた。
よほどライバル関係の強い国同士でもない限り、大会初戦に向けた記者会見は和やかに終わることが多い。しかし、司会に初戦へ向けた意気込みを聞かれたイラン代表のヴァヒド・シャムサイー監督は、AFCに辛らつな批判を送った。
シャムサイー監督というのは、アジアのフットサルにおける唯一無二の存在だ。現役時代にイラン代表のエースとして活躍して通算189試合で382得点と1試合平均2点以上というとんでもないゴールを挙げ続け、イランを8度のフットサル・アジア杯優勝に導き、AFC年間最優秀選手賞にも3度選ばれている。前回大会は、監督としても初優勝も経験しており、サッカーのFWアリ・ダエイに匹敵するイランの国民的英雄である。
そんな男のフットサル・アジア杯に向けた言葉のスタートは、和やかなものだった。「2002年、私は選手としてここでプレーしました。とても素晴らしい思い出があります」と、決勝で日本を破って4度目の優勝を成し遂げた大会を、目を細めて振り返った。
ところが、ここから語気を強めて「しかし、昨日の練習会場に行って驚いた。30度を超える暑さだというのに練習場には空調がまったくない。管理人に『エアコンはもっと強くならないのか?』と聞いたが『ならない』ということだった。選手達は汗をかき、そうなるとフットサルのピッチは滑る。それによって負傷者が出るのではないかと心配させられた。照明についても暗すぎる。あのような環境では満足できる準備など不可能だ」と苦言を呈してから、「それでも、この過酷な環境に置かれたからこそ、私たちには『逆境に立ち向かうぞ』と一丸になる最高の口実を得られた。AFCは、これでいいのか、もう少し改善できないのかを考えてもらいたい。練習場までの渋滞もあり得ない。選手達は向上している。だが、環境は酷くなるばかりだ。1999年からすべてのアジア杯に選手、コーチとして携わってきたが、今回が最悪だ。AFCは選手をもっと大切にしないといけない」と、ホスト国の選出について疑問を強く口にした。
さらに同席したサウジアラビアのアンドレウ・アルバレス監督も「私も100%、シャムサイー監督に同意する」と言い、よくぞ言ったという表情でイラン代表の監督を見てから、自身の思いを語り出した。
「これが私にとってサウジアラビアを率いて3度目のアジアカップになる。だが、今回は最悪だ。私が感じているのは、アジアのフットサルは向上していない。むしろ落ちていっている。この環境、運営……AFCだ。ここにAFCの関係者はいないのか? (司会者の女性を見て)キミか?とても、とてもバッドだ。ヨーロッパやアメリカ大陸での試合を見たか? ほかの大陸でも、どんどん環境が良くなっている。これは非常にフットサルに重要でいいことだ。でも、ここの環境は劣悪だ。ここに来ることができてこの大会に参加できることは、とてもハッピーだ。だが、ここの練習場の環境については、ハッピーではない」と、かつてスペイン1部バルセロナでも指揮を執っていたスペイン人監督は、試合に向けて満足な準備ができないと不満を述べた。
インドネシアではフットサル人気も高まっており、国際親善試合でも1万5000人以上が試合を見に来て熱狂するような状況になっている。今回も普段はフットサルでは使われないインドネシア・アリーナという素晴らしい会場が主会場となり、本大会は大いに盛り上がるはずだ。しかし、より選手達の良いプレーを引き出したいと願う指揮官達は、見えない準備段階の環境が持つ重要性について、AFCに再認識するように強く、強く求めた。
(河合 拓 / Taku Kawai)






















