家庭用で13年ぶりの新作『サカつく2026』の魅力とは? Jクラブ社長2年目の細貝萌が実感するリアルな世界観

『サカつく2026』とクラブ経営について語ったザスパ群馬・細貝萌社長
『サカつく2026』とクラブ経営について語ったザスパ群馬・細貝萌社長

経営シミュレーションとしての『サカつく』と、本物のサッカークラブ経営

 サッカークラブ育成シミュレーションゲームの『サカつく』シリーズが、最新版『プロサッカークラブをつくろう!2026(サカつく2026)』となって13年ぶりに家庭用に帰ってきた。1996年に第1作が発売されて30年。選手の育成とクラブ経営をベースに、洗練されたグラフィックやゲームデザインなど、様々な面でパワーアップしている。サービス開始を記念し、地元のJ3ザスパ群馬で代表取締役社長を務める元日本代表の細貝萌さんにインタビュー。クラブ経営の醍醐味と、理想のクラブ像について聞いた。

   ◇   ◇   ◇

――地元のザスパで現役を引退し、そのまま代表取締役社長兼GM(ゼネラルマネージャー/今年2月1日からは社長業に専念)に就任して約10か月。選手の立場からいきなり社長業ですから、かなり大変な日々だったと思います。

「1年目はとにかくやれるだけやって突っ走っていこうと思っていたので、そのとおりではありました。クラブ経営、地域や行政との関わり、パートナー(スポンサー)との関わり、そして現場との関わり……。目の前のことを一つひとつ必死になってこなしてきました」

――昨シーズンは、「超攻撃サッカー」をクラブとして掲げ、沖田優監督のもと14位という結果でした。前半戦は苦しみましたが、終盤6連勝でシーズンを締めることになりました。2月に開幕するハーフシーズンの「明治安田J2・J3百年構想リーグ」も沖田体制で臨むことになります。

「今までのザスパはどちらかと言えば、まず堅守というイメージだったと思いますが、私が(GMに)なったタイミングで、ザスパの色をちゃんとつくっていきたいと。ちょっと特殊なスタイルに見えるとは思いますが、ザスパのサッカーを見たい、ザスパでプレイしたいと思ってもらえるように、そのスタートを踏み出しました。J3で勝つならロングボールを使って、前線に大きくて強くて、もしくは速くて、というタイプのFWを置いてチームをつくるほうが早いのかもしれません。でも、それではザスパの色とは言えないので、多少時間がかかってもザスパの色をつくっていきたいですね」

ザスパの社長としての1年目は全力で走り切った
ザスパの社長としての1年目は全力で走り切った

――ピッチ外に目を向けるとホームタウン活動も積極的に行なっています。

「ホームタウン活動はすごく重要です。ファン、サポーターが増えていけば、スタジアムのにぎわいにつながって、チケットの売り上げ、グッズの売り上げは伸びますし、選手たちのモチベーションも上がります。そうなれば自ずと勝つ確率だって上がってくるはずです。群馬県で190万人、前橋市には33万人の方が住んでいるわけですから、ターゲットを絞りつつしっかりアプローチをしていきたいと思っています。昨年、クラブの最も大きな出来事と言えば、5月にベイシアグループの一員になったことです。ベイシアは多くの会員さんを抱えていて、ザスパをもっと認知してもらうためにもグループの力を借りながらうまく連携していきたい。知名度アップが我々の大きな課題だと認識しています」

――ホームの正田醤油スタジアム群馬に多くのお客さんを集めていくとともに、リピーターになってもらわなければなりませんよね。

「もちろんトップチームの成績が大切にはなってきますが、細かいところもいろいろとやっていかなければなりません。スタジアムグルメ一つを取っても、購入する方の待機列はどのように並んでもらうほうがいいのかとか、そういう話し合いを毎回行なっています」

――ホーム最終節となった松本山雅FC戦では6-2と快勝した後、ゴール裏ではトップチームだけでなく、スタッフ、セカンドチームのチャレンジャーズ、女子チームのルミナスとともにアカデミーの選手たちもサポーターに挨拶をしていた姿が印象的でした。

「アカデミーの選手たちが多くのファン・サポーターの前に立つことはあまりないので、そういう機会をつくれたらいいなという思いでした。ホーム最終戦ではクラブの社長が皆さんの前で挨拶することもありますが、最近はそうしないクラブも増えています。我々もシーズンの早い段階から、社長の挨拶はしないと決めていました。注目してもらいたいのはやはり現場ですから」

「注目してもらいたいのはやはり現場」と強調する
「注目してもらいたいのはやはり現場」と強調する

――クラブとして育成に力を入れていこうと、2月から新たにGMとして細貝さんの高校時代の恩師でもある前橋育英高校の山田耕介監督を迎えました。

「そうですね。GMとして山田先生に来てもらうとともに、クラブOBでもある永井雄一郎さんにアカデミーダイレクター兼U-18監督を、トップチームのGKコーチを務めてもらったことのあるシュナイダー潤之介さんにU-15監督兼GKコーチをお願いすることになりました」

――細貝さんはバイエル・レバークーゼン、FCアウクスブルク、VfBシュトゥットガルトなどブンデスリーガでもプレイしました。ドイツを含めて海外のクラブから学んだことを、クラブ経営に活かしていきたいという思いはありますか?

「もちろん、欧州では選手として集中していましたから、今のような目線で見ていたわけではありません。ただ、アカデミーの充実度で言えば、特にドイツは充実していましたね。何よりトップチームとアカデミーが同じエリアでトレーニングしているので、距離が近い。そういう意味では(2024年に)GCCザスパークが完成したことで、トップチームとアカデミーが同じエリアで練習できるようになりました。特に夏休みなど学校が休みの時は午前中にトップチームと同じ時間で練習するので、学んだり、吸収できたりすることもあると思うんです。ドイツのようにアカデミーを充実させると、資金面がかなり必要になりますが、少しずつポジティブな部分を増やせていけたらと考えています」

――多忙ながら、トップチームの練習にも顔を出しているとうかがっています。

「不定期ではありますけど、スケジュールが空いていれば見るようにしています。現役時代に一緒にプレイしていた選手もいますし、現場の気持ちと自分の気持ちは近いと思っています。僕が行くことでいい刺激になるならありがたい。だから毎回顔を出すというよりは、行けるタイミングで顔を出すくらいのほうがいいのかなと感じますね」

『サカつく』シリーズは過去作品もプレイしてきたという細貝社長
『サカつく』シリーズは過去作品もプレイしてきたという細貝社長

“キャンプ地選び”に感じる、ゲームとリアルのリンク

――それでは『サカつく2026』の話に入っていきたいと思います。現役時代に『サカつく』をプレイした経験はありますか?

「PSP(PlayStation Portable)でよくやっていました。僕はもともと監督業、コーチ業にはあまり興味がなくて、むしろ経営やビジネスに興味があったので、自分にも合っていました。ただサッカークラブの社長になりたいとは、当時はまったく思っていなかったのですが」

――細貝さんが感じる『サカつく』の魅力とは、どういったところでしょう?

「たとえばキャンプ地を決めるじゃないですか。ザスパは今年、宮崎でキャンプを実施しましたが、当然ながら宿泊費、食費、交通費などお金もかかります。費用だけじゃなく練習試合のことなども考えてキャンプ地を選ばなければいけません。僕は浦和レッズ時代に、ベースづくりの1次キャンプをオーストラリアで、一度浦和に戻ってから仕上げの2次キャンプを国内で行なっていました。経営サイドに回ってみると、それって費用も大変だな、と大変さがわかります。

 選手時代はまったく考えていなかったんですけど、そうした面でも『サカつく』はゲームとリアルがうまくリンクしているんですよね。『サカつく2026』をプレイすることで選手も、ファン・サポーターもよりクラブのことを理解してもらえるんじゃないかなって。そこが魅力の一つでもあるんじゃないですかね」

――新たにサービス開始となった『サカつく2026』はいかがですか?

「グラフィックがすごくきれいでいいですね。忙しくてなかなか進められていないのですが、空き時間ができたら進めてみたいと思います。もちろん、チームはザスパでやりますよ! ゲームのなかでも上を目指してやっていきたいですね」

プレイするチームは「もちろんザスパで!」
プレイするチームは「もちろんザスパで!」

――同じ1986年生まれで、日本代表でもチームメイトだった本田圭佑さんがアンバサダーを務めています。

「圭佑とは今でもよく連絡を取り合っています。(関東サッカーリーグ1部の)EDO ALL UNITEDを立ち上げているので選手の情報交換もしますし、チームに群馬まで来てもらって練習試合をやったりもしています。クラブの経営面というより現場を強くするための話をすることが多いですね」

――それでは最後に、細貝さんが考える理想のサッカークラブ像、ザスパ群馬をこんなクラブにしたいという思いを聞かせてください。

「群馬の人々の生活の一部になっていきたいと考えています。そういったクラブにしていくためには日頃のホームタウン活動が大切ですし、トップチームが強くなっていかなくてはいけません。積み重ねていくことが大切です。ザスパ群馬の価値を上げていくべく、少しずつ前に進んでいきたいですね。2025年はとにかく走るだけ走ろうとしたので、今年はそれにプラスして、一つひとつを形にしていけたらなと思っています」

■タイトル概要
タイトル名称:プロサッカークラブをつくろう!2026
対応機種:PlayStation 5/PlayStation 4/iOS/Android/PC(Steam)
配信開始日:2026年1月22日
ジャンル:サッカークラブ経営シミュレーションゲーム
価格:基本無料(アイテム課金)
メーカー:セガ

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(FOOTBALL ZONE編集部)