マンチェスター・シティの急速な世界戦略とその裏に隠された驚愕のシナリオ

ナイキやペプシのようにシティブランドを世界に売り込んでいった   こうして、現在世界的に知られる新生マンCが誕生。そしてサッカー界を驚かせたこのビッグニュースの後、すぐさまレアル・マドリードからロビーニョを獲得し、財力と存在感を誇示したのだった。   これらの陣頭指揮をしたのが当時のマンCのCEOガリー・クックである。以前ナイキでコマーシャルブランド部門を率いてバスケットボールのスーパースター、マイケル・ジョーダンの”ジョーダンブランド“を立ち上げてグローバル展開したやり手だ。いわばマーケティングのスペシャリストで、マンCも次から次へとブランディング戦略を打ち出し、「ナイキやペプシのようにマンチェスター・シティブランドを世界に売り込んでいった」(コン氏)。   既述の通り、マンCの選手獲得にはマーケティング効果を狙った動きも見られた。その最たる例がロビーニョであり、カカの獲得失敗であり、カルロス・テベスであった。   中でもテベスの場合は顕著で、マンチェスター・ユナイテッドからの移籍が決定した数日後には、テベスが両手を広げてゴールを祝う写真を使用した「Welcome to Manchester(マンチェスターへようこそ)」という特大のビルボードを、市内の至るところに展示した。憎きライバルへの当て付けと、露出度という面でも、非常に大きな成功を生み出した。   これらの選手は当然すべてワールドクラスで、純粋な戦力としての活躍を見込んで獲得を目指した。しかしそのプロセスまでもが、この頃のマンCにとっては自分たちの名を知らしめるための格好のプロモーションだったのだ。そしてこれは結果として奏功している。  

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