『おでんくん』が結んだ縁と“夢中”で駆け抜けた400試合 リリー・フランキー×森重真人対談【前編】

不思議な縁のあるFC東京DF森重真人とリリー・フランキーさん【画像提供:FC東京】
不思議な縁のあるFC東京DF森重真人とリリー・フランキーさん【画像提供:FC東京】

J1通算400試合出場を記念して6年ぶりの対談が実現

 不思議な縁は、15年前にファンから「似ている」と手渡された油揚げの餅巾着がモチーフとなったキャラクターグッズから始まった。大分トリニータに加入したばかりの森重真人は、そのキャラクターを見て「確かに、似ているな」と、思った。当時は、その10年後に、その著者と膝をつき合わせて、話をするなんて想像もしていなかったはずだ。

 この餅巾着を結ぶかんぴょうぐらいの細さの縁は、じっくり味がしみ込んだ2015年にその『おでんくん』の生みの親であるリリー・フランキーさんとの初対談というカタチで結ばれた。森重と『おでんくん』は、アニメのアフレコ出演や記念グッズなどでたびたびコラボレーションしてきた。餅のようにながーーい付き合いは、今も続いている。

 そして、史上28人目のJ1通算400試合出場を記念してコラボグッズ販売と、2度目の対談が実現。より味わい深くなった2人がコトコトと、楽しいトークを繰り広げた。(取材・文=馬場康平)

   ◇   ◇   ◇

――異色の2人がこうして対談するようになった経緯を教えてください。

リリー・フランキーさん(以下、リリー) 初めてお会いしたのは6年前。僕の書いたイラストの『おでんくん』が、森重さんに似ているというきっかけでコラボグッズや対談をやらせていただいて、そこからの付き合いです。僕は今でも森重さんと、『おでんくん』がコラボしたラインスタンプを愛用しています。

森重真人(以下、森重) 今も使い続けてくださっているのは、うれしいです。プロ1年目の頃からファンの方に『おでんくんに似ている』と言われていました。その後、僕が東京に移籍した後に、『やべっちF.C.』で『おでんくん』と似ている話を取り上げていただいて、それをリリーさんの関係者がたまたま見ていて、それがきっかけでお話をさせていただきました。

リリー 6年ぶりですが、森重さんは以前よりも顔がシュッとして、『おでんくん』とは少し離れてきたような……。

森重 ははは、そうですね(笑)。当時は、もう少し肉づきが良かったので。

リリー あらためて400試合出場おめでとうございます。この話はデビュー30周年とか、40周年のミュージシャンによく聞く質問なんですが。400試合出場は長い歴史の中でも20数人しかいないわけじゃないですか? まさかそんなにたくさん試合に出るという未来をデビューした頃から想像していたんですか?

森重 まさか自分がそこまで試合に出続けられるとは想像すらしていなかったです。今こうして自分がその立場にはいますが、実感もないですし、あっという間だったなという印象のほうが強いですね。

リリー あんなに激しいサッカーの試合を400試合も積み重ねてきたんですもんね。以前、中田英寿さんが1試合で4、5kg体重が落ちることがあると話していました。そうすると、2000kgくらい落ちたわけですからね(笑)。

森重 『おでんくん』からかけ離れていくはずですね(笑)。

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