リバプール南野、クロップ“第2世代”への挑戦 “完璧を求めない”名将も確信「ウチにフィットする」

左からサラー、フィルミーノ、マネ。リバプールの強力3トップを形成する【写真:Getty Images】
左からサラー、フィルミーノ、マネ。リバプールの強力3トップを形成する【写真:Getty Images】

南野は「ノー・プレッシャー」 クロップ監督、適応に時間がかかることを示唆

 現在の3トップを見ても分かるように、クロップが好むアタッカーはいくつかのポジションを複合してこなすタイプだ。サラーやマネがカバーするエリアはウインガーの域をはるかに越え、ストライカーとしてはゴールデンブーツを争うトップレベルである。従ってそのポジション、役割を単純に言い表す言葉はない。フィルミーノに至ってはセンターフォワードからボランチまでの領域を支配する神出鬼没のアタッカーで、その運動量とサッカーIQの高さは驚異と言うしかない。

 南野の移籍は、この3人に共通するプレーの幅の広さとカバーするエリアの大きさがあって実現した。

 しかし、その資質は認めながらも、クロップは日本人アタッカーの活躍は、リバプールにある程度の期間在籍した数年先にあるということを示唆することも忘れなかった。

「長期的にはタクミがウチの助けになる選手になることは間違いない。しかし短期的には、(リバプールにとって初めての)日本人がやって来て、彼がどんなふうにチームに適応するか、様子を見なければならないだろう」

 当然と言えば当然の発言だった。

 ところがこの後、筆者に続いて地元記者が追いすがるように南野に関する質問をすると、クロップが真顔になった。

 リバプール訛りの英語で放たれた質問はこうだった。

「現在のプレッシャーがかかった状況の中では、南野にもプレッシャーがかかってくるのではないか?」

 するとドイツ人闘将は、すかさず反論した。

「もしもタクミが言われている半分もできる選手なら、私はハッピーだ。それでウチの助けになる。それに今のウチは、タクミがいなければ苦しむというチームではない。もちろん、ザルツブルクで学んだことは大いに役に立つだろう。しかし違いも多々ある。また攻撃的な選手の場合、周りが変わって、居心地が良いと思える状況になるまでは多少時間がかかるものだ。どれだけ早く対応できるかという楽しみはあるが(南野がベンチから外れても)『彼は一体どこにいるんだ?』というような疑問は全く不必要。それに(シーズン半ばの)1月に加入する難しさもある。今の彼のクオリティー、今のチームにない“違う”クオリティーをもたらしてくれればそれでいい」

 ここまで一気にまくし立てるように語ると一言、「ノー・プレッシャー」(南野にプレッシャーはない)と断言した。

森 昌利

1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。

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