リバプール南野、クロップ“第2世代”への挑戦 “完璧を求めない”名将も確信「ウチにフィットする」

南野は“不動の3トップ”の正統後継者になり得る選手

 現時点で今の3トップに代わる人材はいらないが、チームを活性化させ、将来につながる補強は不可欠だ。

 現在の3トップは、いわばクロップの第1世代。ドイツ人闘将がリバプールを指揮して初めて出現した、アンタッチャブルなファーストチョイスだ。しかしこの3人が不動なだけに、控えと将来につながる明確な人材が今のところチーム内に見当たらない。

 中盤はジョーダン・ヘンダーソン、ジェームズ・ミルナー、アダム・ララーナというベテラン勢に続き、ジョルジニオ・ワイナルドゥムという中堅がいて、アレックス・オックスレイド=チェンバレン、ファビーニョ、ナビ・ケイタという第2世代が続く健全な形ができている。

 しかし3トップはフィルミーノが28歳、そしてサラーとマネが27歳。3人が揃って全盛期であり、控えも含めて年齢的に第2世代と言えるのはオリギ(24歳)だけ。しかもオリギも、もう1人のアタッカーの控えであるシャキリ(28歳)も、先発3人と比較するとプレーの幅は狭く、カバーするエリアも小さい。

 その点でも24歳の南野は、中盤から最前線までの広範囲のポジションをこなせるタイプで、運動量も豊富だ。不動の3人の正統な後継者として、その資質は十分である。

 それにいくらアンタッチャブルと言えど、3人を常にフル出場させるわけにはいかない。実際、サラー、フィルミーノ、マネが揃って90分間を戦ったのは、今季の公式戦26試合(12月25日時点)でCLナポリ戦のアウェーとホームのわずかに2試合だけ。オリギが頻繁に使われているが、間違いなくもう一枚、バックアップは必要である。

 果たしてボスはどう考えているか。

 会見で「今のチームで南野は活躍できるのか?」と、素直に質問をぶつけてみた。

「簡単だ」

 それがクロップの第一声だった。続いてドイツ人闘将が、“南野が簡単にリバプールにハマる”と考える根拠が続いた。

「タクミはウチにフィットする選手だ。(南野を獲得したのは)彼のフットボールスキルに尽きる。判断力。特にスペースのない狭いエリアでの判断力と彼のスピード。またボールを奪い返そうという意欲。ザルツブルクはウチと似た哲学のサッカーをするから、いわゆるカウンタープレス(ゲーゲンプレス)にも対応できる」

 前出のニール記者が「南野はリバプールの“テイラーメイド”の選手だ」とも語っていたが、このクロップの言葉はその発言を肯定するものだ。

 テイラーメイド。特定の顧客のために採寸されたスーツをそう呼ぶが、つまり南野はリバプールでプレーするために同じ哲学を共有するザルツブルクで“仕立てられた選手”ということだ。

森 昌利

1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。

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