長谷部も絶賛する鎌田の「インテリジェンスの高さ」 2アシストに見えた確かな成長曲線

鎌田はチームの攻撃で重要な役割を果たしている【写真:Getty Images】
鎌田はチームの攻撃で重要な役割を果たしている【写真:Getty Images】

フランクフルトのファンも認める技術「あの柔らかなトラップは惚れ惚れする」

 味方選手が出したいところに、出しやすいタイミングで顔を出す。だからジェスチャーをしなくても、自然に鎌田のもとにパスが出てくるようになるというわけだ。ただ、チームの攻撃戦術における重要な役割を果たしている鎌田ではあるが、どうしても得点がまだないところを指摘されてしまう。本人はそこを、どのように捉えているのだろうか。

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「いろんな人がいろんな見方をすると思います。去年は点取れましたけど、点を取っている以外、何もしてないと思う。上に戻るために僕自身、点が欲しかっただけなので、点だけにこだわりましたけど。いろんな人が点を取ればFWだったり、いろんなイメージが付くと思いますけど、それはメディアの皆さんがどう書くかで周りは変わってくると思います。僕自身が思い描いているところはずっと変わらないし、僕自身は上手く上へ行くために、いい成長の踏み方をしていると思う」

 そんな鎌田に、ファンも期待している。試合前のトラムの中で、スマホ片手にこの日のスタメンをチェックしていたフランクフルトファンが、そこに鎌田の名前を見つけると、隣の仲間に声を弾ませながら話しかけていた。

「おい! カマダがスタメンだぞ! あいつはいいよ。あの柔らかなボールトラップは惚れ惚れするよ。それに攻撃に変化を加えてくれるんだ。フランクフルトには長い間、ああいうタイプがいなかったからな。今季の成長ぶりは素晴らしいよ」

「そうだよな。でも、まだゴールとかがないぜ。ちょっとまだ、最後の強引さがないのがな」

「まあ、それはあるけど。でも、だからここからが楽しみなんじゃないか」

 試合を重ねるごとに成長していく鎌田を、フランクフルトファンは期待して見守っている。ボールを収めると、すっと前を向いてボールを運ぶことができる。パスやドリブルでゴールへの道を切り開く動きができるというのが、とても重要なわけだ。加えて、守備での貢献も素晴らしい。足を止めることなく、次から次へと動いていく。

 鎌田も温かいファンへの感謝の言葉を口にする。

「今日はこれだけサポーターが雰囲気を作ってくれて、フランクフルトがヨーロッパリーグにかける気持ちは去年から強いと思う。そのなかでリエージュ自体も悪いチームじゃないし、しっかりとブロックを作ってきて。今日はピッチ状態も少し難しい感じだったので、まずは勝ち点3を取ることが大事だったと思うので、悪くないかなと」

中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで、さまざまなレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス取得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、16-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで精力的に活動している。

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