長谷部も絶賛する鎌田の「インテリジェンスの高さ」 2アシストに見えた確かな成長曲線

フランクフルトのMF鎌田大地【写真:Getty Images】
フランクフルトのMF鎌田大地【写真:Getty Images】

ELスタンダール戦でセットプレーから2アシスト 「“やっと”みたいに言われたけど…」

 10月24日に行われたUEFAヨーロッパリーグ(EL)グループステージ第3節のスタンダール・リエージュ戦(2-1)で、日本代表FW鎌田大地はセットプレーから2アシストをマークした。

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 これまでもセットプレーから精度の高いボールを蹴っていたが、それがゴールという結果につながった意味はやはり大きい。1点目は前半28分、ペナルティーエリア左外からのFKをファーポストに蹴りこむと、DFダビド・アブラハムが右足でゴールに流し込む。速さ、高さともに素晴らしいボールだった。さらに後半28分には、鎌田が蹴ったCKを、DFマルティン・ヒンターエッガーが頭で合わせて追加点となった。

「みんなに“やっと”みたいに言われましたけど、僕のキックが悪いというか良くない時もありますけど、基本的に良いキックもすごく多いと思う。周りがね、逆に入れてくれてなかったシーンも多かったと思うので。僕からしたら、やっと入れてくれたかという感じでしたけど。そういうのがアシストが付くと付かないだと、全然変わってくると思う」

 鎌田はちょっと冗談めかして、今季初の1試合2アシストを喜んだ。正確なだけではなく鋭さがある。だから、相手にしても守りにくい。最後尾からチームを支え続ける元日本代表MF長谷部誠も、セットプレーでのゴールの大切さを認めている。

「1点目も大地のボールは良かったですし、2点目も中でお互いしっかりブロックして、味方をフリーにして決めているんで。大地もやっとセットプレーからアシストが付いたので良かったと思う。こういう難しい試合で、セットプレーから点が取れると大きいですよね」

 そして長谷部はセットプレーでのアシストの価値を高く評価しながら、まだ秘めたるその潜在能力の高さについて、続けて話してくれた。

「彼はサッカーのインテリジェンスが非常に高い。ボールの引き出し方とか走る場所とか、そういうのはやっていても、いいとこにいるなと思うし、出し手としても出しやすい。他の選手よりも動きがいいので出しやすいというのは、正直ある」

中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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