CS決勝第2戦で下剋上は起きるのか? 広島の「42%」とG大阪の「9%」に見る逆転の条件

中央ありきの攻撃は再考すべきか

 次の[DATA-6]の図は、広島の選手間のパスで頻度の高いもの(10本以上パスを出したもの)を矢印で結んだものだ。このボールロストとパスの頻度を示す2つの図から分かるのは、広島は決定的なミスがあっても、得点を奪われても、試合を通して自分たちのサッカーを貫き通したことを示している。

 

図6

[DATA-6]広島の選手間のパス交換数(矢印が10本以上のパス)

 

 敵地での初戦を3-2の勝利で終えた広島は、ホームでの第2戦も自分たちのやり方を変えることはないだろう。G大阪が年間王者になるためには、第2戦で2点差以上の勝利か、3得点以上を奪っての1点差勝利(3-2の場合は延長戦)が必要という、厳しい条件になった。

 もしも、初戦のデータが少しでも参考になるとしたら、前線からボールを奪いに行く姿勢は変えるべきではない。そこで広島に起きるミスは、必ずG大阪のチャンスになる。それに対して広島が、少しでも恐れを感じて自分たちのやり方を変えることがあれば、それがチャンスになるかもしれない。

 一方、中央ありきの攻撃スタイルは、あまり効果的とは言えない。広島の中央3枚のディフェンスを、いかに外につり出すかが重要になってくるはずだ。さらに、後半終わり間際の広島の勝負強さも念頭に入れておく必要がある。泣いても笑っても、2015年のJ1リーグ最後の一戦。熱戦の末のチャンピオン誕生に期待したい。

analyzed by ZONE Analyzing Team

データ提供元:Instat

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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