リバプール「黄金期到来」の予感 CL制覇による“クロップの覚醒”と好敵手マンCの存在

メッシ、スアレス共に32歳を迎え、チームとして高齢化が進むバルサ【写真:Getty Images】
メッシ、スアレス共に32歳を迎え、チームとして高齢化が進むバルサ【写真:Getty Images】

ライバルとして名を挙げた7チームが抱える問題点

 それはさておき、結論から言ってしまうと、私はこの大胆不敵なモウリーニョの予言が当たるのではないかと見ている。

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 まずは欧州強豪クラブの現状を見渡してみよう。モウリーニョは「リバプールが来年も決勝進出を果たすのではないか」と言いつつ、現実的に優勝を狙えるリバプール以外の強豪を「ユベントス、バイエルン・ミュンヘン、パリ・サンジェルマン(PSG)、マンチェスター・シティ、バルセロナ、レアル・マドリード、アトレチコ・マドリード」と7つ挙げている。

 残念ながらモウリーニョは、ここでも古巣の二つの強豪には触れず。しかしエデン・アザールがレアルに移籍したことで戦力低下が著しいチェルシー、そしてそもそもユナイテッドに関しては、優勝候補に入れたくても来季のCL出場権を逃しているので、これはどうしようもない。

 それはともかく、モウリーニョが挙げた来季の決勝進出候補の7チームは、無論知名度は申し分なく、欧州に限らず、世界的に通用するブランド力を誇るが、同時にそれぞれ問題がある。

 まず明らかに選手の高齢化が進み、チームの過渡期に差しかかっているのがバイエルン・ミュンヘンだ。フランク・リベリー、アリエン・ロッベンの退団はその象徴と言える。明らかに一つの時代が終わったというイメージだ。今夏は大型補強が噂され、スカッドの立て直しが急務とされているが、決勝進出レベルの強豪に復活するには、どんなにチームの再構築が急ピッチで進んだとしても、2~3年はかかりそうだ。

 バルセロナもルイス・スアレスが今年の1月に32歳となり、メッシも6月24日に同い年になったばかり。それにいまだ中盤の軸だったシャビ、アンドレス・イニエスタの後継者は現れていない。

 またジョゼップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ監督)の退任以降、メッシをはじめとするスーパースター軍団を牛耳り、規律をもたらす監督が出現しないのもバルサの泣きどころだろう。今季CL準決勝のアンフィールドでのまさかの0-4負けも、劣勢で精神的支柱となるべき“強い監督”の存在感に欠けたことも敗因に数えられる。

 監督問題といえばユベントス。アントニオ・コンテ(インテル監督)から引き継ぎ、以後セリエAを5連覇して8連覇の偉業を達成したマッシミリアーノ・アッレグリの退団は衝撃的でさえあり、間違いなく大きな痛手だ。今季チェルシーを率いたマウリツィオ・サッリの就任が決まったが、どこまですんなり昨季までのクオリティーを引き継ぐことができるのか。こればかりは新政権が始まってみないと分からない。

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森 昌利

もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。

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