リバプール「黄金期到来」の予感 CL制覇による“クロップの覚醒”と好敵手マンCの存在

リバプールとシティがプレミアとCLの優勝を分け合う時代が到来するのではないだろうか【写真:Getty Images】
リバプールとシティがプレミアとCLの優勝を分け合う時代が到来するのではないだろうか【写真:Getty Images】

“クロップ・リバプール”と“ペップ・シティ”が、覇権を二分する時代が到来か

 ただし、唯一の問題はプレミアリーグとの兼ね合いだ。

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 今季のように勝ち点1差で、シティとリバプールが抜きつ抜かれつの展開までもつれなくても、両者が僅差で競った場合、シーズン後半、特にCLの準々決勝、準決勝の日程が入る4月と5月の戦い方、過密日程でのローテーション起用が天王山を分ける。

 それが今季、シティがベスト8でトットナムに不覚をとった最大の原因だ。日程的にリバプールの暫定首位をひっくり返し続けなければならない試合がプレミアで続いたグアルディオラは、ホームでの第2戦を「勝てる」と確信し、アウェーの第1戦でローテーションを採用した。結果は完成したばかりのトットナムの新スタジアムで行われた90分を0-1敗戦。最初の予見通り、第2戦は勝利を飾ったが、4-3の打ち合いとなり、アウェーゴール・ルールで及ばずCLの舞台から姿を消した。

 このように、来季もプレミアリーグの展開がリバプール、そしてシティのCLの戦いに大きな影響を及ぼすことは間違いない。

 プレミアは来季もシティとリバプールに迫る存在が見当たらず、2強で競り合う公算が高い。そこで、もしもリバプールが僅差で首位を守る展開になった場合、今季のシティのような”プレミア優先敗退”がリバプールに起こる可能性もある。

 来季、優勝を逃すと、リバプールはイングランド王者の座からちょうど30年見放されたことになる。当然『プレミアリーグ』が創設されてから、イングランド1部での優勝はない。もちろん最後まで、最強の証であるイングランド、ヨーロッパ二冠の可能性は追うだろうが、プレミア制覇は文字どおりリバプールの悲願だ。優勝が現実的になれば、クロップは絶対にプレミア優先の選手起用をする。

 こうして欧州とプレミアの現状を見渡すと、ここから数年、過去10年間、レアルとバルセロナがリーガのタイトルとCLトロフィーを分け合ってきたように、リバプールとシティがプレミアとCLの優勝を分け合う時代が到来するのではないだろうか。

 しかし前者が「ロナウド・レアル」「メッシ・バルサ」とスーパースターの名前がチームの前置詞になったことに対し、今度は「クロップ・リバプール」「ペップ・シティ」と監督が先頭に立って争う戦いとなる。

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(森 昌利 / Masatoshi Mori)



森 昌利

もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。

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