G大阪戦で退場者を出すも、10人で2ゴールし3-1で勝利

　浦和レッズは9月24日のJ1リーグ第28節ガンバ大阪戦に、敵地で1-1の同点から退場者を出して10人になった後に2点を奪って3-1の勝利を収めた。主将のDF酒井宏樹は「引き分けと負けは僕らにとって同じ」と、あくまでも勝利を追い求めた姿勢について話した。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信！　簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

　試合が1-1の同点で迎えた後半4分、浦和のゴールキックから前線に向けて蹴り込まれたボールとプレー、判定をきっかけに両チームが騒然とする状況になった。荒木友輔レフェリーがアシスタントレフェリーと確認を行い、さらにビデオ・アシスタント・レフェリー（VAR）との交信の後にオンフィールドレビューが実施されると、G大阪のFW宇佐美貴史と浦和のFWホセ・カンテが対立した場面でカンテが宇佐美に頭突きをしている映像が映し出された。他にも騒然とした状況のなかでピッチに倒れ込んだ選手もいたが、確認があったのはこのワンシーンのみ。事態の発生から判定の確定まで10分近くかかったのち、荒木レフェリーの判定は宇佐美にイエローカード、カンテにレッドカードとなった。

　通常ならアウェーで10人になり同点は引き分けも悪くない状況だが、浦和は首位ヴィッセル神戸を前節終了時点で勝ち点6差で追う立場。前日に神戸が勝利していたこともあり、酒井はこのタイミングで「共通意識が大事だと思ったので（マチェイ・スコルジャ）監督にも聞きにいった。10人になったことでみんな覚悟が決まったと思う。もちろん負けるリスクもあると思うけれども、引き分けと負けは僕らにとって同じ。何回も上昇するチャンスを逃していたので、今日やっとものにすることができて良かった」と話す。

　また、酒井は「試合前、監督からはアウェーのように戦うのをやめなさいと。僕らはしっかり勝つために戦った。この世界は結果論なので勝ったから成功だけど、失敗の可能性もあった」と話す。スコルジャ監督も試合後に、退場者が出た後の時間帯について「今は後悔している時間や言い訳をする時間はない」と言い切った。

　浦和はAFCチャンピオンズリーグ（ACL）の開幕戦で、9月20日に武漢三鎮（中国）戦をアウェーで戦い、移動込みでの中3日だった。そうした状況に酒井は「もちろん悪いことは言いたくないけど、僕らは今シーズン120%を選手もスタッフも出していて、この順位。まだまだ足りていない部分は山ほどある。それは僕自身もそう。シーズンも残り少しなので、120%を続けるしかない。一瞬でも気を抜いたら落ちていく。試合前にも話したけど、この上位争いを楽しむ余裕がある人、チームがここから勝っていく。どんどん硬くなっていくのか、ピッチ上で自分たちを示せるのか。今日はみんなの意識、方向性が一緒だったのはうれしかった」と話した。

　厳しいゲームを勝利した浦和は神戸との勝ち点6差を維持して3位に浮上した。次節に神戸が2位の横浜F・マリノスと対戦し、11月には浦和が神戸戦を残す。それまでの戦いと勝ち点状況次第では、このG大阪戦の勝ち点3が大きな意味を持つ可能性も十分にありそうだ。