「悪い男になって」 浦和GK西川がベルギー移籍決断の後輩へ送る“飛躍”に必要なこと「味方が集中していなければ…」

浦和でプレーする西川周作【写真:徳原隆元】
浦和でプレーする西川周作【写真:徳原隆元】

ベルギー1部シント=トロイデンへの移籍を決断したGK鈴木彩艶

 浦和レッズのGK西川周作は、8月6日のJ1リーグ第22節横浜F・マリノス戦を0-0の引き分けで終えた後にベルギー1部シント=トロイデンへの期限付き移籍が発表されたGK鈴木彩艶に対し、「ピッチの中ではいい意味で悪い男になってほしい」と、成長への期待とエールを送った。

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 西川はリーグ戦で今季9回目の無失点で終えた試合について、「ここ最近のマリノス戦では一番いい戦いはできたと思う。今までは相手を前に置きながらしっかり全員で守る意識だったところから、後ろが同数になるくらいのリスクを負った分カウンターは少し怖かったけど、そういうリスクを負わないとこちらにもチャンスができない。そういう戦いをしていきたいし、そこで守ってこそ評価されるし、やりがいを感じる」と、ブロックを作って構えるよりもチャレンジングなプレーを選択したうえでの結果には一定の納得感を示していた。

 試合後には移籍が発表された鈴木が西川について「越えなければいけない存在でしたけど、今回もしっかりと越えてから試合に出場をしてから移籍と考えていました。正直それが達成できなかったのは自分の力不足を痛感していますが、今は越えられなかったとしても必ずいつかを越えたいと思いますし、越えられるように頑張っていきたい」と話していた。2021年のわずかな期間を除いて西川はリーグ戦のレギュラーを譲らなかった。小学生年代から浦和の下部組織でプレーして、サポーターもクラブも期待する存在とともに過ごした時間を西川はベルギー行きを決断した20歳の才能についてこう話している。

「彼の決断が間違っていなかったことを彼自身が証明すると思う。一緒にやってきた仲間として決断をリスペクトするし、活躍が楽しみ。いい意味で悪い男になってほしい。ピッチの中では味方が集中していなければ檄を飛ばすとか、鬼のように怒ることも、特に海外では大事になると思う。彼の努力はいつも見たり聞いたりしていたし、人間性が素晴らしいのは間違いないですから」

 西川は大分トリニータの下部組織からトップ昇格し、若くしてJリーグで試合出場を重ねた。一方で、当時の日本人GKで海外でのプレー経験があるのは元日本代表GK川口能活くらい。それが、今では日本代表GKシュミット・ダニエルや同GK中村航輔、ほかにも若い世代で多くの選手が欧州でプレーする。また、GK川島永嗣やGK権田修一といった選手たちも20代半ばから海を渡った。そうした環境の変化には感慨もあるといい、「本当に、自分も若い時にできれば行きたい場所だった。行くだけでもすごいことだと思う。ヨーロッパで日本人GKが守るのは誇りだと思う。彩艶が試合に出る姿というのを、やっぱり見たいです」と、エールを送った。

 実に16歳差の正GK争いを繰り広げた2人。西川からは移籍に際して「楽しむことを忘れずに」という声を掛け、夢であるイングランド・プレミアリーグでプレーするためのステップとしてベルギー行きを決めた鈴木を送り出した。

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