「非常に才能豊か」 浦和の17歳MF早川隼平、初スタメン抜擢で見せた指揮官絶賛の“冷静さ”

浦和の早川隼平【写真:Getty Images】
浦和の早川隼平【写真:Getty Images】

17歳4か月14日でJリーグ公式戦におけるクラブ史上最年少ゴール

 浦和レッズのMF早川隼平は、4月19日のルヴァンカップ・グループステージ第4節の湘南ベルマーレ戦で浦和のクラブ史上Jリーグ公式戦での最年少ゴールを決めた。1-1の同点ゴールを決めた17歳は「少しでも早くデビューできて点を決められたのは本当に嬉しい」と笑顔だった。

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 早川は高校3年生世代で、浦和ユースに所属しながら二種登録でトップチームにも合流している。5日のルヴァン杯川崎フロンターレ戦での途中出場でプロデビューを果たしていたが、この湘南戦では初めてスタメンに抜擢された。試合前日まで起用は確定しておらず、当日のミーティングで最終決定が伝えられたという。

 そしてピッチに立つと、試合序盤は落ち着きを欠いたプレーもあったが「みんながボール触らせてくれたりとか、自分がちょっと受けに下がったりして、そういうのでリズムが作れたなっていう感じです。みんながもっと堂々とやれ、もっとやっていいぞ、緊張するなよって言ってくれたので、後ろは任せられるし、どんどん前に行けたかなと思います」と、周囲の助けも借りながら試合に入っていった。

 早川にその瞬間が訪れたのは0-1のビハインドで迎えた前半42分だった。ゴールキックをGK鈴木彩艶が敵陣まで大きく蹴り込むと、FWホセ・カンテが競って背後に流れたボールにMFダヴィド・モーベルグが反応。そのシュートはGKソン・ボムグンが弾いたが、こぼれ球に詰めた早川が蹴り込んだ。目の前にゴールが広がる状況で転がってきたボールに対し「枠から外せないな、打ち分けだけできれば決められるなと思いました」と、起き上がろうとするGKや相手DFのカバーも見て冷静な一撃だった。

 ウォーミングアップの時点から周囲の支えもあった。昨季までユースチームの監督で、今季はトップチームのコーチを務める池田伸康コーチは、最後まで芝の感触を助ける手伝いもしている姿があった。また、同じく浦和ユース出身のDF荻原拓也が、早川に寄り添って言葉をかける場面もあった。早川は池田コーチについて「ずっと一緒にやってきたっていうのもありますし、どこか落ち着きます」と感謝を話し、荻原からは「中学1年生の時から関わりがあって、それで拓也君は『緊張すんなよ、どんどんやれ』と声をかけてくれていました」と、激励を受けていたという。

 マチェイ・スコルジャ監督は抜擢した早川について「非常に才能豊かな隼平が本日はいいパフォーマンスを見せ、ゴールを決めることができたのは良かった」と喜ぶ。そして「隼平が初めて我々の練習に参加したときから、スタッフ全員が彼をすごく好きになりました。ハードワークをしますし、性格も良く、技術的なスキルも非常に高い。明るい未来が待っていると思います」と話した。

 早川のゴールは17歳4か月14日でのゴールになり、以前に記録を持っていたFWエスクデロ・セルヒオの17歳6か月28日を越えるJリーグ公式戦における浦和での最年少ゴールになった。なお、天皇杯では邦本宜裕が16歳8日の最年少記録を持っている。

 ゴールの他にも、利き足の左足で強烈なシュートを放つも、際どくソンにセーブされたものもあった。21歳以下の選手を必ず1人スタメン起用しなければならないルヴァン杯で、浦和はGK鈴木彩艶がその対象としてプレーすることが多いが、早川の起用が日常になればリーグ戦でのGK起用に新たな局面を与える可能性もある。この日の活躍は浦和にとっても大きいものになった。

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