マジョルカ、レアル戦勝利の条件は? CL突破と油断、開き直り、久保建英の“ふてぶてしいプレー”に期待

久保活躍にはDFマルセロかDFナチョの攻略が早道か

 なお今季レアルの敗戦パターンは大きく分けて2つ。リーガで喫した2敗はエスパニョール戦(21年10月、1-2)、ヘタフェ戦(22年1月2日、0-1)と下位チームとのアウェーゲームだった。この2試合では前半17分、前半9分とそれぞれ先制点を許しているだけに、先にゴールを奪って流れを掴む(または逃げ切る)パターンが考えられる。他大会での2敗は国王杯のアスレティック・ビルバオ戦と上述したCLのPSG戦で、こちらはともに終盤(後半44分、後半アディショナルタイム4分)の失点により0-1で敗れている。

 久保にとってはDFマルセロ、またはDFナチョの攻略が活躍の早道になるのではないか。ここまでのシナリオどおりになった場合、レアルの左SBは4試合連続先発(うち3戦フル出場)しているDFフェルランド・メンディに休養が与えられそう。代わりに入るとすればマルセロかナチョになるだろう。久保が右サイドMFに配置された場合マッチアップすることになる。

 対マルセロは後手に回らなければ有利に仕掛けられる目がある。元ブラジル代表選手は数年前までの攻撃力がなく、アタッカーの後押しとパス回しに終始している感がある。攻撃的SBとのマッチアップで今季の久保は守備的な脆さを見せたことが数回あるが、今回はそれに当たらないのではないか。むしろ攻撃時にマルセロをカバーするセンターDFやボランチとの対決がゴールを左右するのかもしれない。

 ナチョとの対決になれば久保はより攻撃に力を入れられそう。いかに崩すか、味方選手とどう連係するか選択肢が増えるかもしれない。あとは数こそ多くないものの攻撃参加する時のダッシュに対応しなければならないだろう。

 前節セルタ戦のようにFWベダト・ムリキにより近いところで2トップの一角として起用されれば主力センターバックのオーストリア代表DFダビド・アラバとまともにぶつかることが想定される。この状況で一仕事するには一気に難易度が上がるが、今は前進するしかない状況だ。2019年夏にレアルでのプレシーズンマッチで短い出場時間のなかでも味方や相手に物怖じせずアピールした時のように、ふてぶてしいほどのプレーの再現が期待される。

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島田 徹

1971年、山口市出身。地元紙記者を経て2001年渡西。04年からスペイン・マジョルカ在住。スポーツ紙通信員のほか、写真記者としてスペインリーグやスポーツ紙「マルカ」に写真提供、ウェブサイトの翻訳など、スペインサッカーに関わる仕事を行っている。

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