「まだまだ成長できる」 町田の36歳水本裕貴、プロ18年目の飽くなき闘争心と向上心

FC町田ゼルビア所属2年目の水本裕貴【写真:ⓒFCMZ】
FC町田ゼルビア所属2年目の水本裕貴【写真:ⓒFCMZ】

【インタビュー#1】ポジション奪回に静かなる闘志「立ち位置を覆すのは自分次第」

 FC町田ゼルビアは、11月3日にホームで行われるJ2リーグ第37節で松本山雅FCと対戦する。自動昇格権を得られる2位以内に一縷の望みを懸け、勝ち続けるだけの状況のなか、昨季加入1年目でキャプテンを務め、激しいセンターバック(CB)のポジション争いに身を置く元日本代表DF水本裕貴に思いを聞いた。(取材・文=Football ZONE web編集部・小田智史/全2回の1回目)

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 2011~19年まで所属したサンフレッチェ広島で3回のJ1リーグ優勝を経験した水本は、松本への期限付き移籍を経て、2020年にレンタルで町田に加入。所属1年目でいきなりキャプテンを任され、リーグ戦41試合1得点と中核を担い、シーズン終了後に完全移籍となった。

 今季、町田は一時3位につけるなどJ1昇格争いに食らいつき、36試合消化時点で53得点32失点を記録。失点数は堂々のリーグ5位だ。2020年が42試合で41得点52失点(得点数はワースト4位)だったことを考えれば、攻守両面でのステップアップが見て取れる。水本もアグレッシブな姿勢が好影響を生んでいると話す。

「(ランコ・)ポポヴィッチ監督の就任以降、1年かけて積み上げてきたものを発揮できているという状況です。去年はなかなか得点を取れず、勝ち切れなかった試合も数多くありました。でも、今年は守備の時でも受け身にならず、攻守両面でアグレッシブにできているのが失点数の減少につながっているかなと。補強で素晴らしい選手たちが来てくれて、以前であれば悪い流れを立て直せずにずるずる行ってしまっていたところを、試合中でも少しずつ修正する力が付いてきて、試合内容も良くなっている実感はあります」

 町田のセンターバックは水本、最古参のDF深津康太、新加入のDF高橋祥平が激しいポジション争いを繰り広げてきた。ただ、8月14日のJ2リーグ第25節ファジアーノ岡山戦(1-1)を最後に水本は出場機会が減り、ピッチに立つのは守備固めでの起用となっている。そんな状況でも水本は自らを見つめ直し、しっかりと前を向く。

「たしかにプレー時間、出場機会は自分の中で物足りなさはあります。でも、立ち位置を覆すのは自分次第。ポジションを確立できるように日々練習しています」

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