「日本にいなかったタイプ」と絶賛した選手は? 「パナマ戦出場17人」を金田喜稔が採点

板倉は3バックの左で「器用に、そつなくこなしていた」

■室屋 成(ハノーファー/→後半37分OUT)=★★★

 フィジカルの強さやアジリティーの高さを見せ、タッチライン際を上下動したが、効果的にサイドを抉ってクロスを供給するようなシーンがほとんどなかった。サイドの守備は無難にこなしていた一方、もう少しアタッキングサードで上手くボールを運んでチャンスメークができないと、前線の3人も前を向いてプレーができずチームとして攻撃が停滞してしまう。もちろん、これは室屋1人だけの問題ではなく、チームとしてウイングバックへ効果的なパスが入らなかった印象だ。

■板倉 滉(フローニンゲン)=★★★★

 パナマという相手のレベルを差し引いて評価する必要はあるものの、3バックの左ストッパーとして器用に、そつなくこなしていた。体を張った守備を見せた一方、ボランチでもプレー可能なユーティリティー性をビルドアップ時に発揮。右利きの選手だが、左足で持った時の前線へのフィードは非常にタイミングが良かった。今後もチャンスを与えれば、よりレベルアップできるとの期待を抱かせてくれた。

■吉田麻也(サンプドリア)=★★★★

 10月の2連戦から3試合連続のフル出場で無失点。3バックの中央で最終ラインを統率した吉田自身のパフォーマンス、チームとしての結果を考えても減点材料は見当たらない。ただ同じ無失点でも、アフリカの強豪相手に演じた10月の2試合とは意味合いが違うはず。特に前半の出来では強い相手なら確実に失点しており、そのあたりは吉田ら経験豊富な選手に試合中の修正を期待したかった。

■植田直通(セルクル・ブルージュ)=★★★

 持ち前のフィジカルと空中戦の強さを発揮し、対人プレーでは相手に対して一歩も引かなかった。パナマとの力関係を考えれば、日本が主導権を握ることができる試合であり、3バックにも攻撃の第一歩として正確なビルドアップが求められる。その点を考えると、相手にプレスをかけられてパスの選択肢がなく、結果的にロングキックを蹴らされてしまうようなシーンがあったのは減点材料。早めにボランチに預ける選択肢もあったはずで、そのあたりのタイミングやポジショニングに課題を残した。

<GK>
■権田修一(ポルティモネンセ)=★★★★

 日本代表戦での7試合連続無失点の記録は見事。相手のシュート精度の低さに助けられた部分はあるが、この試合でも決定的なシーンで指に当ててCKに逃れるなど、失点ゼロに貢献した。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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