「日本にいなかったタイプ」と絶賛した選手は? 「パナマ戦出場17人」を金田喜稔が採点
パナマに1-0勝利も流れのなかから得点できず 「前半は何もできなかった」と不満
日本代表は現地時間13日、オーストリア・グラーツで国際親善試合パナマ戦に臨んだ。3-4-2-1システムを採用した“オール欧州組”の日本は、前半は思うようなサッカーを展開できずに苦戦。後半開始からMF遠藤航を投入すると流れが一変し、同16分にMF南野拓実がPKを決めて1-0と接戦を制し、10月シリーズのコートジボワール戦(1-0)から2連勝を飾った。
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3試合連続無失点と守備面で結果を残した一方、またも流れのなかからゴールを奪えなかった森保ジャパンの戦いを、識者はどのように見たのか。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した全17選手を5段階で評価(5つ星が最高、1つ星が最低)。「前半は何もできなかった」チームを後半開始から出場して「1人で変えた」遠藤に、唯一の5つ星評価を与えて絶賛した。
◇ ◇ ◇
<FW>
■南野拓実(リバプール/→後半27分OUT)=★★★
南野らしい相手最終ライン裏への飛び出しでチャンスは作れていた。ただ所属するリバプールで思うように試合に出場できていないこともあり、コンディション的に万全ではないように感じた。トップ下ではなくセンターフォワードでの起用だったこともあるが、中島翔哉(ポルト)や堂安律(ビーレフェルト)、大迫勇也(ブレーメン)という現代表でコンビネーションを築いてきたメンバーが不在のなかで、本来の良さが引き出されておらず、パナマ相手にPKの1点のみではやはり物足りない。
<MF>
■久保建英(ビジャレアル/→後半27分OUT)=★★★
PKを誘うスルーパスを出すなどそれなりに局面を打開しており、決して悪くはなかった。だがチーム全体のバランスを考えた時、守備面での負担を周囲がカバーするなかで、攻撃時にそれを補うだけの力を発揮できていたかというと疑問符が付く。チームとしてボールを奪い久保に預けた時に、もっとアタッキングサードでの決定的なプレーを期待したいし、能力を考えればパナマ相手ならもっとできたはず。ビジャレアルで満足にプレーできていないことや、得意である右サイドにポジションが固定されていない影響もあるのだろうが、能力を発揮しきれたとは言い難いパフォーマンスだった。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。