W杯担当の名レフェリー、セリエA再開へ“審判”の懸念点を指摘 「個人練習では限界も」

2014年W杯決勝を裁いたニコラ・リッツォーリ氏【写真:Getty Images】
2014年W杯決勝を裁いたニコラ・リッツォーリ氏【写真:Getty Images】

セリエA審判委員会で重要なポストに就くリッツォーリ氏 「誰か1人が感染したら…」

 セリエAではイタリア政府の後押しを受けて5月4日に個人トレーニング、18日に全体トレーニングの再開という日程が浮上しているが、公式戦の実施に欠かすことのできない審判員の立場では不安も大きいという。イタリアのサッカー専門サイト「トゥットメルカートウェブ・コム」が、セリエAの審判委員会で割り当ての責任者を務めるニコラ・リッツォーリ氏のインタビューを報じている。

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 イタリアは欧州で最も早く新型コロナウイルスが猛威を振るったとも言える。医療崩壊とも呼ばれる状況から感染者や死者の数は中国の次ぐような状況が続いていたが、ピークは越えたという報道もある。そのうえで、国の経済を見ても大きな影響を与えるサッカーを再開させる動きは進んでいる。

 一方で、現役時代にワールドカップ(W杯)やUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の決勝で主審を担当した名レフェリーとして知られ、現在はセリエAの審判委員会で重要なポストにあるリッツォーリ氏は、再開に向けての懸念ポイントを話している。

「何よりも大きな問題は移動にある。できる限り個人的な手段で移動する必要がある。例えば自動車やバンなど、可能な限り個別に。ただし、地域によってはルートが複雑なものになる。飛行機以外でカリアリに行くことは考えづらいし、公共のフライトではリスクがある。あらゆる予防策を講じたとしても、感染する可能性を排除できない」

 また、その再開に向けて審判員が合同トレーニングをすると仮定した場合に、「誰か1人が感染したとなれば、全員がストップとなるリスクもある。一方で、個人的なトレーニングだけでは限界もある」と、準備の難しさも指摘した。

 リッツォーリ氏が話した要素は、今後リーグ戦の再開を考える全ての国に当てはまる要素だと言えるだろう。例えば日本で言えば、J1は北海道コンサドーレ札幌のホームゲーム、J2ではFC琉球のホームゲームに審判員が向かう場合に同じ状況が考えられる。また、準備段階のトレーニングについても同様の課題はあるはずだ。

 中立を保つべき立場からも、アウェーチームとともに移動するようなことも難しい。公共の場を通っての移動と感染リスクを伴う審判員の立場は、こうした未曽有の状況だからこそ、難しいかじ取りを迫られているとも言えそうだ。

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(FOOTBALL ZONE編集部)



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