すべてのシュートを止める―― 大迫敬介、“泥まみれ”の先に見据える最高GKへの挑戦

「決定的な場面でゴールを取られるようでは、とてもじゃないけど代表にはいけない」

 もちろん、失点はGKだけの責任ではない。守備組織が崩れてしまっては、どんな名GKであっても失点を防ぐのは困難だ。だが広島のGKは、下田にしても林にしても、こんな言葉を口にしてきた。

「すべてのシュートは止められる」

 そんな伝統を、広島ユースで育った大迫もまた、受け継いでいる。

「逃げようと思えば、いろいろと道もある。言い訳だって、できる。でも僕は、大切なところでシュートを止められるGKになりたい。決定的な場面でそのままゴールを取られるようでは、とてもじゃないけれど代表にはいけない。自分の目標としているところに到達もできない。こんなプレーでは納得はできないし、ここでただ悔しいとだけ思っているようではいけない。とにかく、このままでトレーニングを終えるには、嫌だった。悔しさを次の機会で晴らすためにも、自分が納得するまで練習したかった」

 今年6月にプレースタイルを大きく変えて以降、広島は得点を取れるチームに変身した。スタイル変更前の14試合で平均1.14得点だったのが、その後の17試合で平均1.64得点。複数得点試合も3試合→8試合と増幅し、ボール支配率も44.0%から52.2%と大きな変化を遂げた。だが一方で、失点は平均0.71→平均1.05と増加。完封試合は6試合連続で達成できず、うち4試合で先制被弾。大迫はその責任を一身に感じている。

 ルーキーイヤーである昨季は第4GK。紅白戦にすら出場できなかった若者が、今年は開幕からレギュラーを張り、日本代表に選出され、東京五輪を目指すU-22日本代表でも主力となり、ブラジルU-22代表を撃破した試合でもゴールマウスを守った。客観的に見れば、信じがたい成長。しかし、大迫は満足していない。高みしか見ていない。決定機を止めた高揚感は忘れ、失点しか責任しか覚えていない。

「自分がシュートを止めていれば、勝ち点はもっと積み重ねられた。失点はチームとしての結果かもしれないけれど、自分としてはどうしても納得できない。もっとチームを助けたい。シュートを止めて、チームからの信頼を勝ち取りたい。GKの仕事はまず、ゴールを守ること。そこをもっと追求して、もっと成長して。そのためには、納得のいくまで練習するしかないんです」

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