香川真司とサラゴサの“幸せな関係” スペイン2部で際立つ技術にファン熱狂「大きな誇り」

タオルを掲げエールを送るサラゴササポーター【写真:高橋智行】
タオルを掲げエールを送るサラゴササポーター【写真:高橋智行】

香川の本調子はまだ遠い… 自身に「一番欠けていること」とは?

 アルコルコン戦では素晴らしいパフォーマンスを見せたものの、香川のベストパフォーマンスを知る人々の目には、まだ本調子ではないように映るかもしれない。それはビクトル・フェルナンデス監督が、第2節ポンフェラディーナ戦後の記者会見で「フィジカルコンディションを向上させる必要がある。なぜなら何カ月も試合に出場していなかったからね」と指摘したことからも感じ取れる。

 チームは4試合を戦い3勝1分で2位と好位置につけており、8シーズンぶりの1部復帰に向けて上々のスタートを切っている。そのなかで、香川が多大な貢献をしているのは間違いない。

 しかし、香川本人は「僕自身、アシストして点を取りにいくことが一番欠けていること。その意識を持ち続けていかないと、なかなか目には見えてこないし、今はそういう時期だと思う。周りをしっかりと活かしながら、大事な試合になったら必ず自分で行くということを証明していきたい。厳しい戦いが続くので、これからだと思っている」と、まだ満足している様子ではなかった。

 香川はこの後、ホーム3連勝を目指して9月15日の第5節でエストレマドゥーラと対戦する。そして12月8日の週末(日時未定)に行われる第19節で柴崎岳が所属するデポルティボ・ラ・コルーニャ、同月22日(日時未定)の第21節では岡崎慎司が加入したばかりのウエスカと“日本人初対決”を控えている。おそらく、その頃までに香川はトップフォームを完全に取り戻し、本来の姿を見せてくれるはずだ。

(高橋智行 / Tomoyuki Takahashi)



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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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