日本代表「エルサルバドル戦出場17人」を金田喜稔が採点 唯一の“5つ星”で称賛した選手は?

金田喜稔氏がエルサルバドル戦に出場した全17選手を評価【写真:Yukihito Taguchi&Getty Images&浦正弘】
金田喜稔氏がエルサルバドル戦に出場した全17選手を評価【写真:Yukihito Taguchi&Getty Images&浦正弘】

追加招集の30歳FW、永井が見せた攻守におけるパフォーマンスは見事だった

 日本代表は9日にひとめぼれスタジアム宮城で行われた国際親善試合エルサルバドル戦に、2-0で勝利した。2試合連続で「3-4-2-1」システムを採用したなか、森保一監督が1トップに起用したFW永井謙佑(FC東京)が前半で2ゴールを奪う活躍。また後半22分からは注目を集めた18歳のMF久保建英(FC東京)を投入しゴールに迫ったが、追加点を奪えずにそのままゲームを終えた。

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 久保の歴代2番目に若いA代表デビュー(18歳5日)に注目が集まる一戦となったが、1970年代から80年代にかけて輝きを放った「天才ドリブラー」で、元日本代表の金田喜稔氏はこの一戦をどのように見たのか。エルサルバドル戦に出場した全17選手を5段階で評価(5つ星が最高、1つ星が最低)。金田氏はまず、全体の印象として今回の6月2連戦で戦った相手のレベルを「本当に日本の強化となるのか」と疑問視。チーム強化の視点で物足りなさが拭えない試合だったことを踏まえつつ、追加招集ながら前半で2ゴールを奪った永井には最高の5つ星評価を与え、18歳ながら堂々としたプレーを見せた久保にも称賛の言葉を並べた。

  ◇    ◇    ◇

<FW>
■永井謙佑(FC東京/→後半14分OUT)=★★★★★

 追加招集の30歳FWが先発というチャンスを与えられ、前半だけで2ゴール。負傷による交代は残念だったものの、森保監督の起用に見事に応えたパフォーマンスには5つ星評価を与えたい。エルサルバドル戦に臨んだ全選手のなかで、永井の胸にはその他の選手とは比較にならないほどの思いがこみ上げていたはず。それは序盤から見せた守備時のプレッシングにも表れており、攻守両面においてスピードという最大の武器を観る者に再認識させた。大迫勇也という絶対的エースとは異なる特長を持つ選手であり、日本の攻撃の幅を広げる可能性のある人材として、今後の1トップ争いにも期待を抱かせるプレーだった。

<MF>
■南野拓実(ザルツブルク/→後半22分OUT)=★★★

 評価は「3」だが、南野らしさは出ていた。先発でも途中出場でも、自分は“シュートで生きていく”というスタイルを貫いている。味方からボールを引き出す段階での頭の整理は、この日も変わらずにできていた。アジアカップでなかなか点を取れず、物足りなさを感じるところはあったが、プレースタイルはブレていない。一方、これまで1トップは大迫を軸に川又や杉本などポストプレーに長けた選手が務めてきたが、スピードタイプの永井になったことで、2シャドーとしてはタイミングの取り方などにやや難しさがあったように見えた。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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