CL16強を呼び込んだリバプールの「ストーミング」 ナポリの策を封じた戦術とは?

ナポリとの直接対決を制し、CL16強進出を決めたリバプール【写真:Getty Images】
ナポリとの直接対決を制し、CL16強進出を決めたリバプール【写真:Getty Images】

リバプールのハイテンポなサッカーの前にナポリが疲弊

 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のグループステージが終了し、激戦のグループCはパリ・サンジェルマン(PSG)とリバプールが勝ち抜けた。最終節を迎える前まで首位だったナポリは、リバプールに0-1で敗れて3位に転落した。

 グループ突破をかけたリバプール対ナポリの直接対決は、点差こそわずか1ゴールだったが、内容的にはホームのリバプールがナポリを圧倒していた。10月に行われた第2節では、ナポリがホームで1-0と勝利している。リバプールのウイング(モハメド・サラー、サディオ・マネ)による外側を切って中へ誘導する守備に対して、ナポリはプレッシャーの厳しい内側へパスをつないでリバプールのプレス部隊を引きつけてから、フリーで外に待機している選手につないで攻撃の起点としていた。

 ところが、最終節のアンフィールドでのゲームでは、そうした計画的なビルドアップをする余裕すら奪われてしまっていた。

 リバプールがどんどん前にボールを運んで攻めてくるので、ナポリにもボールを奪えばカウンターを仕掛けるチャンスがある。そのため、序盤はカウンターの打ち合いになった。しかし、やがてこのハイテンポの展開に、ナポリは疲弊していく。ゲームのテンポを下げられず、リバプールのペースに巻き込まれてしまった。

 元イングランド代表監督のテリー・ベナブルズは、イングランド代表がなかなか勝てなかった理由について、かつて次のように話していた。

「イングランドと対戦するチームは、徐々にイングランドの勢いを削ぎ落とす」

 さらに前、1970年代には英国のジャーナリスト、エリック・バッティ氏がこう言っている。

「ファイトボールにおいてイングランドは世界一だ。しかし、残念ながらゲームの名前はフットボールなのだ」

 リバプールが「ファイトボール」をしていたわけではない。ただ、前方へのロングパスを多用し、ハードワークとスピードを前面に押し出すプレースタイルだったのは、フットボールでありながらもファイトボール的だったかもしれない。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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