J1甲府・城福浩監督のブラジルW杯直前展望 スペインを優勝候補に推す確固たる理由

懸念は疲労度

 

 シャビ、イニエスタ、シャビ・アロンソという円熟の域に達したベテランを核とした主力のスキルレベルに加え、“最後のW杯”に懸けるモチベーションを本命視する理由としている。その一方で、ネガティブな要素も存在する。

「スペイン代表のネガティブファクターがあるとすれば、それは“疲弊”だろう。チャンピオンズリーグを戦い抜いたチームは、相当の試合数をこなさなければいけない。普段から厳しいリーグを戦い、さらに重圧の大きなチャンピオンズリーグを戦い抜いている選手が多い。その疲弊は免れない。過去を見ても、02年日韓W杯のジダンのように大会直前にコンディションを崩す可能性もある。でも、普段戦っているレベルの高さを見ると、優勝候補から外すわけにいかない。中盤はエクセレントそのもの。唯一、足り ないピースである前線にジエゴ・コスタがはまれば死角は見当たらない。監督が誰をセンターフォワードにチョイスするのか。アトレチコのサッカーで輝いたジエゴ・コスタのような違った個性がフィットしたときに、どういった化学反応を起こすのかにも注目している」

 かつて世界最高の選手だったフランス代表のMFジネディーヌ・ジダンは、当時所属していたレアル・マドリードでチャンピオンズリーグを制した。レバークーゼン戦で決めた、あの決勝ゴールを記憶に留めている人も多いだろう。その活躍後、勇躍して挑んだ日韓W杯では連覇の期待もかかった。だが、開幕直前に左太ももとひざを故障。本大会ではわずか1試合出場に留まり、フランス代表 も1次リーグで敗退してしまった。ジダンの悪夢が再現するリスクは潜んでいるが、城福監督のスペイン代表への評価は絶大だ。なぜならば、ブラジル特有の環境を理由に挙げている。

「高温多湿な環境下では、必ずボールを動かすチームが有利になる。大会が進めば、進むほど、ブロックを築いて守備を固めるチームはそれができなくなっていくはずだ。だからこそ、スペインの優位性が発揮されると思う」

 

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