なでしこ&豪州、“利害一致”の時間稼ぎに韓国メディア「悔しい」 理解示す声も…

「5分間のボール回し」は韓国にとって許しがたい行為だが…

 スポーツ紙「スポーツ韓国」は、「この2チームは約束をしたかのように試合を展開した。日本はDF4人がボールを回し、時間を稼いだ。オーストラリアは誰もプレスをかけず、そのまま時間が過ぎるのを待っていた」と批判。一般紙「ソウル新聞」も「見ていて悔しい」としつつ、「仕方がない行為だったかもしれない」と、日本のボール回しについて触れた。

「後半41分にオーストラリアが同点ゴールを決めた後、両チームの選手たちは約束でもしたかのように、(日本が)ビルドアップもせず、ボール回しを始めた。韓国がベトナムに4-0でリードしていたが、このまま引き分けで終われば準決勝進出とW杯出場権を手に入れられる状況を理解していた。攻めの姿勢を貫き、もし失点でもして先に進めない状況になることを考えれば、攻めないという選択は当然のことだったのかもしれない」と、ある意味仕方がない部分があったと伝えている。

 韓国にとって、「5分間のボール回し」は許しがたい行為だろう。ただ、韓国が日本に勝っていれば状況は一変していたわけで、結果がすべての世界において「たら・れば」を唱えても無意味だ。

 実際、日本と韓国の一戦が行われる前、スポーツ紙「スポーツソウル」は「韓国は日本に必ず勝たないといけない。日本に勝利して、ベトナムにも勝利すれば2勝1分のグループ1位で、準決勝に進める可能性がある。日本に引き分けるか、敗れればグループ3位になる可能性が大きい。W杯出場権を獲得するためには、日本に勝たなければならない」と伝えていた。

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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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