ハリルは誰のために勝とうとしているのか? 韓国戦惨敗の意味を共有できない危険性

隣国のライバルは“負けてはいけない相手 ”求められる最大限の抵抗

「韓国に負けたのがイケナイ」

 ズドラヴコ・ゼムノヴィッチさん(VONDS市原監督)は試合後にそう言った。

「例えば、ロンドン五輪はベスト4に入ったのはいいことだったけど、3位決定戦で韓国に負けたからいい結果ではない。韓国に負けたら、アジアでナンバーワンじゃないから」

 じゃあ、例えばモロッコに負けて4位ならいいの?――と聞くと、「それならいい(笑)」との答えが返ってきた。

 筆者は韓国に負けるのが、サウジアラビアに負けるより悔しいという感覚はあまりない。日本人としてはたぶん少数派だ。その点、ゼムノヴィッチさんの方が「日本人」である。清水エスパルスの監督なども務め、日本に長く生活してきたからだろう。

 負けちゃいけない相手というのがある。イングランドとスコットランド、ブラジルとアルゼンチン、ドイツとオランダ……だいたい隣の国はライバルだ。負けるにしても、最大限の抵抗は示さなければならない。

 日本が韓国に3点差で負けたのは38年ぶりのことだったそうだ。1979年6月16日のスコアは今回と同じ1-4だが、場所はソウルである。当時行われていた日韓定期戦だった。これより前、3月4日に東京で行われた試合の方は日本が2-1で勝っている。この勝った方の韓国戦が、下村幸男監督の就任初戦だった。ただ、当時の川淵三郎技術委員は「彼我の実力の差は短期間では追いつけない」と協会機関誌に書いている。アウェーで返り討ちにされたのは実力差が出たということなのだろう。

 

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