ハリルは誰のために勝とうとしているのか? 韓国戦惨敗の意味を共有できない危険性

フランスには「謝ったら死ぬ病」の人がいる

 E-1選手権の韓国戦、1-4で敗れたのはまさに歴史的な敗戦だった。ただ、日韓戦の温度は、かつてに比べればかなり冷えている。ハリルホジッチ監督に至っては、日本にとって韓国がなんであるか、全く理解していない様子だったが、まずはちゃんと謝るべきだった。

 試合に負けるたびにいちいち謝る必要などない、試合をやるのだから勝った負けたは当たり前――と筆者などは思う方なのだが、韓国にこのザマなら、形だけでも謝らなければ収まりがつかないのではないか。

 筆者はフランスで生活したこともあるので、彼らの中には「謝ったら死ぬ病」の人がいることは知っている。ハリルホジッチはフランスでキャリアを積んだ監督だが、今は日本代表を率いて日本でE-1を戦ったのだから、やっぱりちゃんと謝った方が良かったと思う。

 韓国に負けたくらいでひどく感情的になる必要はないが、感情が抜けたらサッカーではない。誰のためにチームを率い、誰のために勝とうとしているのか。ファンと感情を全く共有できないのは代表監督として致命的にマイナスなことぐらい、コートジボワールとアルジェリアを率いたのだから理解しているはずである。

【了】

西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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