北朝鮮女子が胸に刻む4月の韓国戦での失意 27年ぶり“平壌決戦”は「とても辛い思い出」

「立ち直るのに時間がかかったが…」

 今年4月、2018年女子アジアカップ予選で北朝鮮と韓国は同組(グループB)となり、本大会出場をかけて1位の座を争っていた。平壌の金日成スタジアムで27年ぶりに行われた「南北対決」は、1-1のドロー。この引き分けが、北朝鮮にとっては痛かった。

 北朝鮮と韓国は勝ち点で並んだが、最終的に得失点差で上回った韓国がグループ1位となり、本大会出場を決めた。同2位の北朝鮮はここで敗退。アジアカップ本大会は上位チームが2019年の女子ワールドカップ(W杯)出場権を得られる大会だっただけに、北朝鮮選手たちの落胆ぶりは相当なものだったという。

「4月のアジアカップ予選がとても辛い思い出となっている。それから立ち直るのに時間がかかったが、この大会に合わせて集中的にトレーニングを積んできた。3試合すべてがとても重要なだけに、韓国戦に焦点を合わせてきたのではない」

 キム・グァンミン監督はそう語っていたが、選手たちにとっては韓国戦で絶対に負けられない理由があったわけだ。その気迫の差が、この試合でくっきりと表れていた。

 そんな力のある北朝鮮を最終戦で迎えるのが、ここまで2連勝している日本。優勝に向けて直接対決を制すのはどちらになるのか。北朝鮮は虎視眈々と3連覇を狙っている。

【了】

金 明昱●文 text by Myung-wook Kim

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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