【対戦国分析|セネガル】大会屈指の両翼とセットプレーの高さ チーム力は8強進出の日韓W杯以上か

[1]W杯予選の戦いぶりと戦術的な特徴

 開幕戦で優勝候補のフランスを破り、ベスト8に躍進した2002年日韓ワールドカップ(W杯)以来、4大会ぶりの予選突破を決めた。14年大会予選では当時アフリカ最強とも言われたコートジボワールとのホーム&アウェーを強いられる不運な状況で、奮闘虚しく2戦合計2-4で敗退している。そのチームでコーチングスタッフに入っていた、02年W杯代表の主将アリウ・シセが15年に監督に就任し、タレント力の高い選手たちをまとめ上げ、ブルキナファソ、カーボベルデ、南アフリカとの最終予選6試合で4勝2分、10得点3失点という安定した戦いで突破を決めた。

 4-3-3を基本システムとして、前線にFWを1枚加える4-4-2を攻撃的なオプションとして持つ。中盤からの組み立ては非常にシンプルで、個の打開力に優れるサイドアタッカーが仕掛けて、クロスやラストパスを前線の中央やファーサイドから飛び込んでくる選手に供給するのが基本的な攻め方。そこに運動量が豊富なMFイドリッサ・ゲイェ(エバートン)の中央突破からのミドルシュートや、サイドバックの攻撃参加などが加わる。そのパターン自体に戦術的な意外性はない代わりに、局面のリズムやトップスピードに乗った時の迫力というのは攻撃の形が分かっていても容易には止められない。

 主力は2012年ロンドン五輪でベスト8を経験しているメンバーが多く、キャプテンのDFシェイフー・クヤテ(ウェスト・ハム)もその一人だ。大半がイスラム教徒というセネガル人の真面目な習性からか、シセ監督のマネジメントによるところが大きいのか、とにかく90分間ハードワークする姿勢は全体的に強い。タレント力は02年よりおそらく上だが、チームのまとまりも現時点では似たものを感じさせる。あとは大会に向かっていく半年間、大会中にチームとしての結束力をキープしていけるかが躍進の鍵を握りそうだ。チームを乗せるためにも、初戦のポーランド戦は重要だ。

[アフリカ最終予選成績]

グループD1位 4勝2分0敗/10得点3失点

[W杯試合日程]

第1戦:6月19日18時(日本時間20日0時) ポーランド戦(@モスクワ・スパルタク)

第2戦:6月24日20時(日本時間25日0時) 日本戦(@エカテリンブルク)

第3戦:6月28日18時(日本時間28日23時) コロンビア戦(@サマラ)

 

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