本田加入のパチューカに潜入! 全寮制の学校に病院、映画館も備えた巨大施設とは

獲得した移籍金は「施設の投資に使う」

――メキシコから欧州などトップレベルへ渡る選手も多いですが、パチューカもそうやって育成面にも力を入れているのですね。

「最近ではメキシコからアメリカのメジャーリーグサッカーへ行く選手も多いですね。その先駆けは(元メキシコ代表GK)ホルヘ・カンポスでした。パチューカでは育成から海外に移籍する選手が結構います。そこで得た移籍金は、すぐ施設の投資に使う。設備管理と選手の獲得。『私は投資をする。結果を出すのはあなたたちの役割。投資をする代わりに結果で示してくれればそれでいい』というのが会長の考えです。

 そして、下部組織ではメキシコの地方に有望な選手がいた場合、移り住むために両親の就職先を見つけたり、生活に困らないような準備をクラブがしてくれます。下部組織のGMや責任者はアルゼンチンやスペインなどから来ていて、今の育成責任者は元ボカ・ジュニアーズの人なんですよ」

[PROFILE]

百瀬俊介(ももせ・しゅんすけ)

1976年5月31日生まれ。1992年に中学卒業後に単身メキシコへ渡り、デポルティーボ・トルーカFCのユースチームに入団。93年に同クラブのトップチームと契約し、日本人で初めてメキシコリーグ所属のプロサッカー選手となった。その後、メキシコやエルサルバドル、アメリカのチームを渡り歩き、2001年にデポルティーボ・トルーカFCで現役引退した。コネクト株式会社の代表取締役会長。ブラウブリッツ秋田のクラブアドバイザーも務めるなど、多岐に渡って活躍している。

【了】

石川 遼●文 text by Ryo Ishikawa

百瀬俊介●写真 photo by Shunsuke Momose

 

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