英日本人の衝撃ゴール「なんでここにいる」 代表OBも驚愕…29歳の活躍は「Jリーガーにとって刺激」

ブラックバーンの森下龍矢【写真:REX/アフロ】
ブラックバーンの森下龍矢【写真:REX/アフロ】

【専門家の目|太田宏介】ブラックバーン森下が衝撃ゴール

 イングランドチャンピオンシップ(2部相当)のブラックバーンに所属するMF森下龍矢は現地時間8月29日、リーグ第3節でクイーンズパーク・レンジャーズ(QPR)戦で衝撃ゴールを決め話題となっている。元日本代表の太田宏介氏が森下の絶好調ぶりや、ストライカー的嗅覚とプレーの質を絶賛する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 イングランド2部の激しい揉み合いの中で、一際強烈な輝きを放つ日本人選手がいる。ブラックバーン所属2年目の森下は、Jリーグ時代はサイドバックとして躍動していたが、海外移籍を経てフィニッシュに絡む攻撃的ポジションへと進化を遂げ、強烈なインパクトを残し続けている。

 昨季も4ゴール9アシストと結果を残し、今季も開幕戦でピンポイントクロスからアシスト。そしてこの試合の後半、相手ゴール前に上がったボールを味方が頭でつなぎ、森下は右足でトラップし、浮き球のまま左足を一閃。ペナルティーエリア外から放たれた強烈な一撃がゴール左上隅に突き刺さった。

「ずっとキレがあるし好調。このゴールもすごい」と太田氏も驚嘆。彼が最も注目したのは、サイドの選手でありながらボックス内で絶好のポジションを取り続ける森下のポジショニングとゴールの嗅覚であり、「いつもそうですけど『なんでここにいるんだ』っていう。ふわっと流れの中でFW的なポジションを、サイドの選手があそこでボールを持って待ってるっていうその嗅覚は素晴らしい」と舌を巻く。

 そしてシュートについて、「浮き玉が来た時点で右足トラップからの左足。多分頭でイメージできていたと思うし、彼は印象的なゴールが多いですよね」と絶賛している。

 もともとサイドからのハードワークが特徴的だった森下だが、欧州へ渡って以降は明確にフィニッシャーとしての才能を開花させた。「特にボーランド、イングランドと欧州へ行ってからフィニッシュに関わることが多くなって、かつあれだけ強烈なリーグの中で、外国人選手のようなゴールを連発しているんで。一つ一つのゴールがめっちゃ記憶に残りますね」と、太田氏も驚きを隠さない。

 通常、サッカー選手はキャリアを重ねたり、よりフィジカルの激しい上位リーグへ移籍するにつれて、ポジションを後ろへ下がるケースが多い。しかし森下は逆で、Jリーグ時代はSBを中心にプレーしていたが、海外へ渡り、前線へとポジションを押し上げていった。

 太田氏は「プロになって海外行って前にどんどん前に行くっていう、普通逆ですよね」と笑みを見せる。それでも、森下がイングランドの猛者たちと渡り合えている理由は、華麗なテクニックだけではなく、何よりも評価しているのは、彼が持つ日本人らしい勤勉さであると太田氏は言う。

「本当に日本人らしい選手で、勤勉が一番似合う選手。あと、こういう選手ってまだまだJリーグにもたくさんいますよね。こういう選手が活躍することがJリーガー、特にサイドの選手にとって、すごく刺激になると思う」と、森下の活躍が持つ「数字以上の意味」を強調する。

「チャンピオンシップはここ数年増えてきたじゃないですか。活躍する選手の母数がすごく増えてきているんで、本当にその象徴となってほしいなと思いますね」

 粘り強い勤勉さと、ゴールへの鋭い嗅覚で英2部のピッチを走り回る森下。太田氏は「本当に森下選手大好きなので頑張ってほしい」とエールを送るなか、国内で成長を期す多くのJリーガーたちにとって、未来を照らす大きな希望となっている。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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