「新たなグアルディオラ」の声も上がるギグス マンチェスター・Uの永久監督就任への最大の障害

スキャンダルが永久監督就任への最大の難所か

 仲の悪い父子は彼らだけではないが、2人は全く絶縁状態で、昨年ウイルソン氏が前立腺がんを患った際もギグスが見舞い訪れることはなかったらしい。

 もちろん一選手としても、スキャンダルの上にこうした親子関係がマスコミで暴露されるのはきつい。しかも指導者となる監督ともなれば、人格、モラルの問題はさらに厳しくなる。

 また、このような話題は敵方のサポーターには絶好のネタで、アウェイゲームとなれば、ギグスがダッグアウトの前に立つ度に、残酷な野次の標的にされるに違いない。

 実際、無法に近いインターネット世界では、情け容赦なしに、ギグスの不倫ジョークが飛び交っている。

 もちろん、その大部分がここで紹介できるような内容ではないが、ノリッジ戦4-0直後、笑顔のギグスの写真に「弟の嫁より簡単」とキャプションが入った投稿には、不謹慎ながらも笑ってしまった。

 だが、世界でも有数のビッグクラブを自負するマンチェスター・Uの経営陣にとっては、こうしたジョークは全く面白くないはずだ。

 結局、戒律的には緩いプロテスタントとはいえ、英国もキリスト教徒の国。建前としても不倫は重罪だ。

 同じ男として、下半身の人格と監督の能力は別だとも思うが、案外このスキャンダルがギグス永久監督就任の最大の難所なのかも知れない。

【了】

森昌利●文 text by Masatoshi Mori

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