失ったポジション…あのとき「もし腐っていたら」 取り残される危機「しんどかった」

得点王に輝いた町田の藤尾翔太「出られていない時間も自分の今の経験に」
FC町田ゼルビアは11月22日、国立競技場で行われた天皇杯決勝で、ヴィッセル神戸に3-1で勝利した。クラブ史上初タイトルの立役者となったのは、2ゴールを奪って単独得点王にも輝いたFW藤尾翔太。失いかけたポジションを取り戻し、「出られていない時間も自分の今の経験になっているかな」と振り返った。
【PR】DAZNを半額で視聴可能な学生向け「ABEMA de DAZN 学割プラン」が新登場!
前半6分、DF中山雄太の左サイドからのクロスに飛び込んだ。GK前川黛也との競り合いに勝つと、浮き上がったボールがバウンドしてゴール内へ。顔を強打したようにも見えたが、「ちょっとわからないです。アドレナリンが出すぎていて、当たっているか当たっていなくてもわからないです」と笑顔を見せた。
後半11分には、左足での豪快なミドルシュートがゴール右上に突き刺さった。貴重な3点目を挙げると、後半20分にお役御免。ハットトリックも狙っていたと本音もこぼれたが、チームメイトから揉みくちゃにされて「すごく嬉しかったです」。かけられた声は「正直、何も聞こえていなかったです」と明かした。
昨年は飛躍の1年となったが、今季序盤は苦しんだ。「出られていないときに自分がもし腐って、練習しないとか、いつもやっていることをやらないとなってくると絶対きょうという日は来なかったと思うので、腐らずにやることをやって、チャンスをこの日まで待ってよかった」。さらにその時間も糧にした。
「競争が激しかった分、やっぱり僕もやれることを増やさないと試合には抜擢されないので、そういう期間が僕をパワーアップさせてくれたというか、考える時間になったというか、いい時間になったと思うので、ああいう出られていない時間も、自分の今の経験になっているかなと思います」
2023年途中にセレッソ大阪から、当時J2の町田に加入した藤尾。そこからクラブは急成長を遂げ、「チームはすごく変わりましたよね。メンバーもすごく変わりました。ここで今残っているのは本当に数人で編成されているので、そこに食らいつくのもけっこうしんどかったというか」と必死に生き残ってきた。
試合に出ていない期間も、「自分自身やれることを増やさないと取り残されていくので、そういう気持ちでずっとやっていました」という藤尾。「2点目のゴールなんかも、今年の最初やったら足を振っていないと思うので、タイムリーに成長できたなと実感します」。天皇杯優勝を清々しい表情で噛みしめた。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)





















