決勝で完敗「負けるべくして負けた」 届かなかった頂点、貫き通した90分間「力が足りなかっただけ」

柏は決勝戦で広島に力負け
ルヴァンカップ決勝戦は11月1日に行われ、柏レイソルは1-3でサンフレッチェ広島に敗れた。前半にセットプレーから3失点。最後までスタイルを貫いて広島ゴールに迫り、FW細谷真大が1点を返すも及ばず。黄色と紫に染まった国立競技場で今季ルヴァンカップの69試合目。歴史に残る逆転劇で決勝まで進んできた柏のタイトルをかけた挑戦が1つ幕を閉じた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真)
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柏の選手たちは広島が表彰台で歓喜した瞬間を目に焼き付けた。リカルド・ロドリゲス監督は試合後の会見で「やるべきことをやりきった」とキッパリ。3点リードを許した展開でも、今季積み上げてきた柏のスタイルを貫き通した90分間だった。
シャドーでフル出場したMF小泉佳穂は、試合後の取材対応で開口一番に「完敗です」と潔く負けを認めた。小泉が「負けるべくして負けた」と話したとおり、広島にウィークポイントを突かれ、ロングスローから失点を重ねて前半だけで3失点。小泉自身は「3点差なら45分あれば返せるなと思ってた」と、今季の成功体験から逆転に持ち込む感覚は持っていたが、途中出場のFW細谷真大が決めた1点にとどまった。
小泉はこの試合の敗因について、セットプレーで上回られたことを認めながら「自分たちの拙さが出た試合だった」と厳しい言葉を並べ、ピッチで起きていた出来事を振り返る。
「『それなりに』っていう言葉が全てだと思います。相手は自分たちのことを相当研究して、ウィークポイントを突いてきて、柏のストロングを出させないようにしてきた。難しかったですけど、相手がハイプレスに来るからこそ、剥がした後にどうしてもスピードアップしすぎてしまって、押し込んでのボール保持ができずに、アップテンポな試合になってしまったところとか、自分たちの拙さが出たなと思います。
ボールを前進させる時に、相手がプレッシャーに来てくれたら剥がせるのは上手だけど、いざフリーになった時に自分が浮いてて、自分以外がプレッシャーを受けている状態の時に、プレッシャーを受けていない自分がボール回しすぎちゃうとか。そういう細々したところ。ビルドアップのところで相手がハイプレッシャーで来てて、そのプレッシャーに誘導されるまま長いボールを蹴ってしまうとか。個人戦術から、技術から、チーム戦術としても力が足りなかったと思います」
1トップで先発出場したFW垣田裕暉は「まだまだやることが多い」と自身の出来について話す。前半で最多16回のスプリントを記録し、最前線で汗をかいた。それでもゴールは奪えずに前半45分間でピッチを後にした。
「自分としてはいつもどおりでしたけど、ミスの多さはまだまだ目立ちますし、スペースがまだ見つけられていないシーンも多かったですし、まだまだやることが多いかなと思います」
リカルド監督は「(選手たちは)すぐに気持ちを切り替えられる状態ではない」と話したが、選手たちは前を向く。嫌でも気持ちを切り替えて立ち上がらないといけない。小泉が「別に力が足りなかっただけなので、リーグ戦も残ってますし、切り替えてやるしかない。それできるチームだとは思ってるので」と話せば、垣田も「やることは変わらない。勝ちしかないので、切り替えるには」と言葉をつなぐ。唯一のゴールを決めた細谷は「本当にリーグしかないと思うので。3連勝すれば可能性がある状況なので、1試合1試合を死ぬ気で戦いたい」と強い意志で先を見つめた。
試合後にファン・サポーターは選手たちに向けて大きな拍手が送った。この後押しを力に、黄色の戦士たちはここで足を止めることなく、もう1つのタイトルを勝ち取るために全てを賭けて突き進む。
(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)





















