大卒ルーキーが初の先発フル出場で躍動「良い方向に出た」 世代No.1の呼び声…今後は「自分次第」

浦和DF根本健太が公式戦で初スタメン
浦和レッズのDF根本健太は、川崎フロンターレと対戦した9月3日のルヴァンカップ準々決勝の第1戦で公式戦での初スタメンのピッチに立ちフル出場した。大学ナンバーワンセンターバックとしての評判に違わぬプレーを見せて実力を証明した。
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根本は今季に向けて流通経済大学から加入した。左利きのセンターバックで、この世代では大学ナンバーワンの存在という評判の中で浦和に加わった。しかし、プレシーズンの沖縄キャンプを途中で離脱するなど順調さを欠いた面があり、DFマリウス・ホイブラーテンと今季加入のDFダニーロ・ボザが2枚看板を形成していること、浦和の今季日程がクラブ・ワールドカップ(W杯)への出場によりルヴァン杯や天皇杯がシードされて7月以降の出場となったこともデビューを遅らせる要因になった。
その中で7月にDF井上黎生人がセレッソ大阪へ移籍すると、自然と根本の立場は両外国人DFの控えとして3番手のセンターバックという位置づけになった。その当時には「今の状況はもちろん、またさらにチャンスが来たと言えますし、このチャンスをモノにするかモノにしないかは、本当に自分次第だと思います」と話し、プロの世界の現実も見ながら準備を怠らなかった。そして、8月9日の横浜FC戦では途中出場で左サイドバックに入りプロデビューを果たしていた。
そして、マチェイ・スコルジャ監督がスタメンの大幅な入れ替えを敢行した川崎戦で本来のセンターバックとしてチャンスを得た。持ち味として期待されていたフィードや相手の隙間を見逃さない縦パスに加え、それにつながる自分の前にボールを晒すような強気なコントロールや、受け際でボールを持ち出して相手を引き付けてパスを出すプレーも見せた。自身は「自分の特徴や持ち味を分かってもらえたと思うし、良いプレーも出せたとは思います」として、「チャレンジした結果が良い方向に出たかな」と、自身のプレーぶりを振り返った。
本来の守備という点でも、クロスへのタイプで後れを取ることはなく、積極的な前方への潰しも見せた。ホイブラーテンが前半途中で負傷したことで試合中にボザとのコンビに切り替わったが、動揺なく「相方が変わったからといってやることは変わらないですし、変わったからできないというのはあり得ないです。自分もボザのことをすごく信頼していますし、誰が出ても同じプレーをしなければいけない。そこは特に変化はなかったです」と、落ち着いてプレーを続けた。
だからこそ、試合のほぼラストプレーで同点に追いつかれて1-1の引き分けに終わったことには悔しさがあった。「出場できたことは嬉しいし、良かったとは思いますが、やっぱり勝って終わりたかったというのが一番の思いです。大学時代から『勝ちしかいらない』と求められてきたので、すべては結果だと思います」と、話している。
ホイブラーテンの負傷の状況次第では、シーズン終盤戦の最終ラインに入る可能性もある。ルーキーは「ここに加入した時も、試合に出られるだろうという気持ちで来たわけではありません。与えられたチャンスで、どれだけ自分がそれを生かして試合に関われるかという思いで加入しました。今はそのチャンスが増えてきているので、これからどのチャンスを掴んでいけるかは自分次第だと思っています。1日1日の練習を大切に全力で取り組み、いざ試合に出られる機会を与えられたら、チームの勝利に貢献できるように頑張っていきたい」と決意を語っていた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)




















