衝撃敗戦に本音「選手だけで解決できる問題ではない」 防戦一方で…露呈した“限界”

2-0から逆転負けの浦和、長沼洋一は「戦術の部分を落とし込んでいく必要」
浦和レッズは8月22日のJ1上位対決、柏レイソルとのゲームに2-4の逆転負けを喫した。前半に2点を奪いながら押し込まれ続けたゲームに、選手たちからはボールを持つことの必要性が聞かれた。
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浦和は立ち上がりの前半5分にコーナーキックからDF長沼洋一のゴールで先制。その後は自陣に押し込まれてペナルティーエリア内で跳ね返すような時間も続いた。それでも前半43分に自陣でDF石原広教とDFダニーロ・ボザが柏のプレスを打開すると、ボザのパスをMFマテウス・サヴィオがフリックしてMF金子拓郎が抜け出す。完全なカウンターの形から金子の横パスをMF関根貴大がつなぎ、最後はFW松尾佑介が押し込んで浦和が2-0のリードで前半を終えた。
このスコアの経過だけ見れば、浦和うまくやった前半という印象はあったかもしれない。しかし、柏にボールを完全に制圧されて走らされたダメージは後半に出た。ハーフタイムが明けてほどなく足が止まり始めた浦和は前半以上にゴール前で守るのが精一杯になり、後半9分に1点を返される。石原がゴール前で決死のブロックで2点を防ぐような場面もあったが、後半38分にFW細谷真大の同点ゴールを許し、試合終了間際に2失点を喫して力尽きた。
後半に足をつって交代となった松尾は「走らされすぎて足がつりました。ただ、暑さのなかで自分たちがボールを持つ時間がないと厳しいと感じます」として、「見てもらえば分かる通り、僕とサヴィオは厳しい状態でボールを受ける場面が多かったです。工夫しましたが、全体的に下がりすぎてしまいました。もっと全体を押し上げないと、僕やサヴィオが2、3人相手に守備をしながら攻撃するのは難しいです。チーム全体でのサポートが必要だったと感じます」と話した。
また、先制ゴールの長沼も「自分たちの時間が短すぎました。柏はボールを持つのがうまいので支配されるのは想定していましたが、支配されすぎました。自分たちでボールを持ってコントロールできなかった」と話す。そして「ボールを握られて守備の時間が長くなれば、危険なシーンは出てしまいます。完璧に守備はできないので仕方ない部分もあります。だからこそボールを握ってコントロールしないといけない。選手だけで解決できる問題ではなく、構造やポジショニングといった戦術の部分をチームで落とし込んでいく必要があると思います」と現状を話した。
ボールを支配されて自陣で左右に振り回され、最終ラインをヘルプするように前後する動きを繰り返させられれば、体力は削られていく。やっとの思いでボールを奪っても崩れ切った陣形でボールをキープするのは難しく、誰もいない敵陣にクリアする姿も目立った。DFマリウス・ホイブラーテンもまた「なるべく長い時間ボールをキープしたいのですが、単純にクリアしてしまう局面が多く、サイドチェンジをする場面もなく、簡単に蹴ってしまうことが多かったです。そのような状況になると走る距離も増えて難しくなります」と、苦しい試合を振り返った。
リードを奪ったことが余計に選手たちの意識を後方に引っ張った側面はあるのかもしれないが、ゴールを守るばかりになってしまうチームの限界を露呈したような感もある敗戦になった。途中出場の選手が3得点した柏との明暗も分かれたが、黄色く塗りつぶされるように支配されたピッチ上での解決策を見つけられないままシーズンの終盤を迎えていることの厳しさを突きつけられる試合になった。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)





















