383日ぶり出場で「不思議な感覚」 “一番下から”の再出発…青赤を熱狂させる左足「数字としての結果が欲しい」

バングーナガンデ佳史扶が京都戦への意気込みを話した
6月18日に行われた天皇杯2回戦のツエーゲン金沢戦で383日ぶりに実戦復帰を果たしたFC東京のDFバングーナガンデ佳史扶。怪我を乗り越え、新たなスタートを切った佳史扶が前回対戦で0-3と敗れた京都サンガF.C.戦に懸ける思いを話した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真/全2回の第1回目)
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復帰戦となった金沢戦では「改めてこんなすごいところで自分がサッカーしてたんだな」とサッカー選手としての喜びを感じたという佳史扶。「自分のなかで戻ってきたっていうより、あの時見てたピッチに今立ってるみたいな不思議な感覚だった」とプロデビュー時に近いような感情を抱いた。
金沢戦の出場を皮切りに、今季ここまで天皇杯3試合、リーグ戦6試合と順調に出場時間を伸ばしてきた。直近のリーグ戦第26節の湘南ベルマーレ戦では佳史扶の左足クロスをきっかけに、FW長倉幹樹のゴールが生まれるなど、攻撃面での存在感も増してきている。
序盤戦はスタンドから試合を見続けた。FC東京はチームとして不本意な前半戦を過ごしたなかで、佳史扶は「常に自分がここに入ったらどうできるのか、というのを考えながら見ていた」という。そのおかげもあり、「頭の整理はできていたので、目が追いつかないとか、試合に上手く入れないっていう感覚にはならなかった」。実戦復帰してから出場時間を伸ばせているのは、常にチームと向き合い続けてきたからだった。
夏の移籍市場でDF室屋成がFC東京に帰還し、DF長友佑都、DF白井康介とサイドバックの選手層は分厚い。「本当に一番下からのスタートなので。1年のブランクがあって、身体を戻すっていうのもありますけど、この新しい身体でどう、その3人にチャレンジしていけるのかっていうのが今後重要になってくる」と熾烈なポジション争いに挑む日々が続く。
そのなかで「僕はやっぱり左足のクロスだったり、サイドでの攻撃参加のドリブルだったり、そのレパートリーの多さとかアグレッシブさっていうのは、その3人には絶対に負けない自信がある」と攻撃参加での手応えを感じながらも、守備面では「佑都さんとか康介さん、成くんの方がまだまだ上だなっていうところがある」ときっぱり。「(3人を)見習いながらやって、攻撃のところは自分にしかないクロスだったり、ドリブルで切り込んでいくところだったり、違いを見せていきたい」と語気を強める。
すでに今季のJ1リーグは終盤戦に差し掛かり、FC東京は下位から脱出するために負けられない戦いが続く。次節は本拠地・味の素スタジアムで今季好調の京都と対戦する。佳史扶にとっては、昨年の対戦でゴールを奪ったいい印象を持つ相手でもある。
しかし、今季の第1戦では敵地で0-3の完敗を喫し、チームの立ち位置を考えると2度の負けは許されない。「すごい良いチームというか、みんなハードワークするし、見ててもすごい迫力あるチームだなと思うんですけど」と京都をリスペクトしながら、「東京にはそれ以上のハードワークできる選手が揃っていると思うし、それを本当にピッチで表現するだけ」と勝利に重要なハードワークを強調した。
佳史扶自身として「数字や結果が欲しい」というなかで、「得点のところ、攻撃のところで絡んでいくところは、ガンガン狙っていくつもり」と京都戦で自分がゴールに絡むつもりでいる。「サイドバックでガンガンいけるポジションなので、まず走りで負けずに、攻撃のところで、得点なりアシストなりを付けたい」。佳史扶の左足からゴールが生まれ、青赤に熱狂をもたらすはずだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)





















