欧州で不完全燃焼→初J1で5戦4発 「さりげない」…元代表FWを彷彿させる得点量産の秘訣

浦和の小森飛絢【写真:徳原隆元】
浦和の小森飛絢【写真:徳原隆元】

【専門家の目|太田宏介】浦和で実力発揮のFW小森飛絢を絶賛

 浦和レッズFW小森飛絢は今年、海外に挑戦するも本領発揮とはならず半年で帰国。そして浦和へ活躍の場を移し、初めてのJ1ながらすぐさま結果を出している。元日本代表DF太田宏介氏がその凄さを語った。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 25歳の小森はジェフユナイテッド千葉でデビューし、初年度から13ゴールと二桁得点を記録し、昨季は38試合23ゴールをマークし得点王に輝いた。満を持して今年1月にベルギー1部シント=トロイデンへ期限付き移籍するも、公式戦5試合で無得点。プレー時間は17分と不完全燃焼で終わり退団し、このタイミングで保有元の千葉から浦和への完全移籍を果たした。

 そして浦和での出場2試合目となった7月23日のJ1第21節湘南ベルマーレ戦で移籍後初ゴール。そこからゴールを重ね、ここまで公式戦5試合4ゴールと期待通りの得点力を見せている

 太田氏は「千葉の時から見てても得点パターンをたくさん持ってるし形にとらわれないというか、スペースの引き出し方、作り方が上手い。ポストプレーも非常にミスが少ないですし、かといってがむしゃらに動き回ってハードワークというよりも効率よく動きに無駄がなく、ボールを受けて周りの選手を生かしながら、なおかつゴール前に入って行ってゴールを狙う。左右両足使えますし、ゴールの形もセットプレーでも決めてましたね」と、多彩な得点パターンがあると絶賛している。

 さらに「横浜FC戦で決めたように、味方がシュート打ったリアクションのところであれだけプルアウェイして準備しているのは小森選手だけ。セカンドボールの反応も準備ができている選手がゴールを取るんだなと。なんか播戸さんとかもそうでしたけど、さりげない1アクションだったり、動き直しをしてる選手にはボールがこぼれてくるんだなというところと、長倉が抜けて彼に懸かる期待だったり、チアゴ・サンタナがいたりと、そもそも前線の選手の競争は今凄いと思うので、そのなかでニューヒーローが、出てきたのはクラブにとっても大きいんじゃないですかね」と、かつてJリーグで活躍した元日本代表FW播戸竜二の名を挙げつつ、点取り屋としてのプレーに注目している。

「千葉の時代に見てて彼のキャリアがここからどうなるんだろうと思って、海外移籍して半年で帰国することになりましたけど、新たなキャリアでJ2、海外、J1って短時間でいろんなことを経験して、さらにここから国内で結果残して代表に行ってほしい選手だなと思いますね。浦和はいい補強をしたと思います」

 海外では思うようなプレーを見せられず、出場時間も伸びず悔しい思いで帰国。初のJ1挑戦でどこまで通用するかみものだったが、幸先の良いスタートを切った。今季どこまでの数字を残すのか、期待が寄せられる。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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