浦和が悔やむ“12分間”「期待とはほど遠い」 早くも正念場…次戦はイタリア名門「何か持っていけたら」

前半12分に先制点を奪われた
悔やまれる立ち上がりが尾を引いてしまった。浦和レッズは米国開催のFIFAクラブ・ワールドカップ(W杯)の初戦、現地時間6月17日のリーベルプレート(アルゼンチン)戦に1-3で敗れた。マチェイ・スコルジャ監督は試合の立ちがりについて「私たちが期待していたものとは、ほど遠いものでした」と無念の言葉を口にした。
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浦和は5日に米国入りして10日を超える事前合宿を米国で行って初戦に臨んだ。米ワシントン州シアトルは日本と16時間の時差があるが、その調整にも余念がなかった。しかし、試合の立ち上がりは多少の浮足立った感があった。MFサミュエル・グスタフソンは「もちろん緊張感があったし、大きな大会で、あまりにも相手をリスペクトしすぎて、ゲームの序盤からちょっと固くなっていたかなと思います」という印象を話す。
そうしたなかで迎えた前半12分、リーベルで注目を集める右サイドのMFフランコ・マスタントゥオーノのサイドチェンジ。ボールを受けたDFマルコス・アクーニャが蹴り込んだピンポイントクロスをFWファクンド・コリーディオに合わせられ、先制点を奪われてしまった。浦和のセンターバックの間にピタリと落ちてくる精度はさすがだったが、最初のビッグチャンスを一発で決めてくるあたりに勝負強さの違いを感じさせた。
スコルジャ監督は「残念な結果でした。私たちが望んでいたような試合の入り方ができませんでした。特に前半に主導権を握ることができませんでした。そして、早い時間帯での失点は、チームの精神面に非常に強い影響を与えることになりました。それは最も練習することが難しい要素です」と、この失点がチームに痛みを与えたことを振り返る。
その後は、浦和のブロックの外側を動かすようなパスが多かったとはいえ、リーベルにかなり長い時間ボールを持たれる結果になった。スコルジャ監督は「相手にボールをハーフコートで長く持たせすぎました。この時点では、少し精神面もチームのプレーに影響を与えていたと思います。私たちの戦術的なものの全てが実現できなかったわけではありません。しかし、最初の失点までの時間帯は非常に混沌としていました。間違いなく私たちが期待していたものとは、ほど遠いものでした」と振り返るしかなかった。
そして後半立ち上がりの3分にはDFマリウス・ホイブラーテンとGK西川周作の間でボールを奪われる痛恨の失点。ホイブラーテンがヘディングでのバックパスをする瞬間を読まれて、FWセバスティアン・ドリウシに回り込まれてしまう。その後、息を吹き返したように主導権を握り、後方からボールを運んだプレーでMF金子拓郎がPKを獲得してFW松尾佑介が蹴り込んだ。しかし、反撃の機運を高めた矢先にコーナーキックから3点目を奪われ力尽きた。
グスタフソンは「我々のベストなレベルに到達できなかったのが残念」として、「自分たちらしさが出なかった部分というのは様々な要因があります。感情的な部分や、このようなステージ、このような大会では普段通りプレーできないことがあるものですが、この試合をプレーできてしっかりと経験をしたということで、次に何か持っていけたらと思います」と話す。
言ってみれば、きついパンチを食らったことで目を覚ましたような試合展開になってしまったことが浦和にとって悔やまれた。この敗戦により次戦21日のインテル(イタリア)戦は、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)準優勝の相手に少なくとも勝ち点1を取らなくてはいけなくなった。サプライズを起こすためにも、相手が面食らうくらいの立ち上がりを見せることが期待される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)





















