クラブW杯勝ち上がりの鍵は「順応」 劣勢覚悟も…浦和監督が考える勝算「非常に興味深い」

浦和のマチェイ・スコルジャ監督【写真:Getty Images】
浦和のマチェイ・スコルジャ監督【写真:Getty Images】

浦和は初戦でリーベルプレートと対戦

 浦和レッズは現地時間6月17日にクラブ・ワールドカップ(W杯)の初戦でリーベルプレート(アルゼンチン)と戦う。前回出場時にメキシコの強豪クラブ・レオンに競り勝った再現をすることができるか、マチェイ・スコルジャ監督は「素早く、違うスタイルの相手に対して順応すること」をポイントに挙げた。

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 浦和は2021年の天皇杯に優勝したことで翌年のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)への出場から優勝へつながり、32チーム出場でグループリーグから決勝トーナメントまで行う形式になった今大会への出場権を得た。スコルジャ監督はそれを「世界のベストチームが出場するW杯の中にいます。非常に興味深い大会になるでしょう」と表現する。浦和のグループではリーベルプレートだけでなく、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)準優勝のインテル(イタリア)も入る。もし浦和が16強入りを狙うなら、少なくともどちらかのチームを成績で上回らなければならない。

 クラブ史上3度目のACL制覇により、23年以前までの6大陸王者と開催国代表の7チームトーナメントで行われた形式のクラブW杯にも出場していた。その時も指揮を執ったのはスコルジャ監督だったが、初戦でクラブ・レオンに競り勝った。一進一退の際どい勝負を、後半途中に投入されたオランダ人FWアレックス・シャルクの決勝ゴールでものにした。その後は準決勝でマンチェスター・シティ(イングランド)、3位決定戦でアル・アハリ(エジプト)に敗れるが、4位で大会を終えた。

 指揮官は同じ4位に入るという意味で「ジェッダの時(23年の大会)と同じ結果を再現するのは非常に難しいでしょう」と話す。しかしながら、いかにトーナメント形式からグループリーグ形式になったとはいえ、初戦の比重が非常に大きいことは変わらない。あまり経験のない南米勢との対決という面もある一戦に、「私たちにとって非常に重要なことは、素早く、違うスタイルの相手に対して順応することです」と話す。

 それに加え「恐らく彼らのほうがボールポゼッションの時間は長くなるでしょう」として、「第一に、スペースをどう管理するか考えなければなりません。一般的に、能力の高い相手と対峙する時はそうです。ファイナルサードでの機動力が非常にあるので、全てのゾーンでコンパクトに守らないといけません。ゾーン1での守備、ローブロックは非常に重要ですが、(注目の)フランコ・マスタントゥオーノだけでなくストライカーや8番の位置からすごく良いタイミングで走り込んでくる選手もいます」と、ある程度まで押し込まれる展開は覚悟しているようだ。

 このローブロックで耐える時間帯を無失点で切り抜けることこそ、前回大会と同様に初戦を勝利で飾るカギだろう。その先には指揮官が「彼らは攻撃的なプレーをして、時にかなりリスクの高いプレーをするので、そのような状況をうまく利用できれば」と話す状況や、「セットプレーは私たちの強み」という要素が待つ。総合すれば、試合の入りで相手に面食らうことなく耐えて、相手のスキを突いて得点を奪うことだ。

 そのような試合展開こそ、スコルジャ監督のチームが身につけてきた真骨頂とも言える。我慢の展開から懐に隠しておいた武器を一閃する浦和の姿が見られるか、早くも運命の一戦が訪れる。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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