香港遠征のメッシが欠場で波紋 現地関係者も怒り「政府は失望」「受け入れられない」

香港リーグ選抜との試合を欠場したリオネル・メッシ【写真:ロイター】
香港リーグ選抜との試合を欠場したリオネル・メッシ【写真:ロイター】

インテル・マイアミは香港リーグ選抜に4-1で勝利

 アルゼンチン代表FWリオネル・メッシらを擁する米メジャーリーグサッカー(MLS)のインテル・マイアミが香港遠征し、2月4日に香港リーグ選抜チームと対戦して4-1で勝利した。

 しかしこの1戦、目玉のメッシはベンチ入りするも最後まで出番なし。スペイン1部FCバルセロナ時代の同僚、ウルグアイ代表FWルイス・スアレスも同様に出場せず、元スペイン代表MFセルヒオ・ブスケッツ、スペイン代表DFジョルディ・アルバは後半17分から途中出場したが、大多数のファンがメッシ目当てだっただろう。試合結果よりもメッシの欠場の多くの反響が上がっている。

 インテル・マイアミのオーナーは元イングランド代表MFデビッド・ベッカム氏。世界的スターの彼も現地に駆け付けて挨拶をしたが、メッシ欠場に怒るファンからはブーイングの嵐だった。

 一般ファンに限らず、香港政府関係者にも波及。政府系メディアの香港政府新聞網「News.gov.hk」は「メッシの欠場に対して政府は失望している」と題し、「試合の主催者『TATLER XFEST』社に、サポーターへの説明を求める。このイベントでは『M』ブランド(メッシのこと)への認知度を鑑みて、政府は計1600万元(約3億円)の補助を出していたが、メッシ欠場により減額する可能性がある」と伝えた。

 香港立法会議員(国会議員に相当)でスポーツ文化面担当の霍啓剛(フォク・カイコン)氏も、「メッシが出場できなかっただけでなく、チームは市民との交流イベントもなかった。ファンや香港市民への尊重を欠いており、受け入れられない」とコメントする事態になった。

 中国のSNS上では、新疆ウイグル自治区からこの試合を見るために来たメッシファンの若者のインタビューが話題に。「このためだけに新疆から5000キロ、12時間かけて来た。スアレスはまだウォーミングアップしていたが、メッシは靴すら履き替えなかった。高い金や労力を費やしてきたのに騙された」と怒りを交えて答えている。

 ちなみに、1月末にポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが在籍するサウジアラビア1部アル・ナスルも中国遠征を予定していたが、直前にロナウドの負傷で試合は延期、チケットも全額払戻しになっていた。これと比較し、「少なくともロナウドは事前に通知したので、チケットも払戻しになりファンも飛行機をキャンセルすることができた。ロナウドのほうが余程立派だ」と、若者は怒り混じりに語ったという。

 インテル・マイアミはこの後日本へ移動し、2月7日にJリーグ王者のヴィッセル神戸と対戦予定。中国のファンやジャーナリストは「香港で1秒もでず、日本で出場したらメッシは永久ブロックする」「親友のイニエスタや、古巣のバルセロナとつながりがヴィッセル神戸戦を優先するため、香港遠征を欠場したのでは?」と憶測の声が上がっており、思わぬ形でインテル・マイアミ対ヴィッセル神戸戦の注目が上がっている。

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