“WEリーグの三笘”、広島MFは「恐れ多い」 強行日程の決勝で得意ドリブル披露「強気で仕掛ける」

広島の中嶋淑乃【写真:Getty Images】
広島の中嶋淑乃【写真:Getty Images】

カップ戦は広島が初優勝

 3シーズン目を迎える日本女子サッカーのプロリーグ「WEリーグ」開幕に先立ってのカップ戦、WEリーグカップ2023-24の決勝が10月14日に行われ、0-0からPK戦の末にサンフレッチェ広島レジーナが初優勝を飾った。広島のMF中嶋淑乃は、先日まで開催のアジア大会で日本女子代表の金メダル獲得に貢献したとこからチームに合流。延長戦の終了間際までプレーした。

 広島は昨季2冠の三菱重工浦和レッズレディースの入ったグループステージA組を4勝1分の無敗で突破したが、中嶋は第4戦になった9月17日の浦和戦(1-0)でプレーした後にアジア大会のチームに合流。22日の大会初戦バングラデシュ戦でスタメン出場してハーフタイムまでプレーした。その後、チームの貴重なサイドアタッカーとしてプレーすると10月6日に北朝鮮と戦った決勝戦でも先制ゴールを決めるなど活躍。6試合をプレーした後に中国からの移動も挟み、約1週間後のチームでタイトルの懸かった決勝戦に出場するタフな日程だった。

 それでも立ち上がりから左サイドで際立ったプレーを見せ、前半7分にはペナルティーエリア内からシュートを放つと、その後もドリブルやクロスでチャンスを演出した。「今日はボールを持ったら強気でいこう」という気持ちで入ったと話す中嶋は、新潟の堅守に手を焼きながらも延長後半の終了間際に交代で退くまでプレーした。自身を含む攻撃陣のプレーについて「最後のところが雑になってしまう面もあったので、最後のところで1つ冷静になれたら」と、課題も口にしたが、ドリブルや攻撃的なプレーの質は見せていた。

 一部では、ドリブルの切れ味をイングランド1部ブライトンでプレーする日本代表MF三笘薫に重ね合わせ、リーグ公式映像では「WEリーグの三笘」と呼称された。中嶋は「目指してはいるし、嬉しいけど、まだまだなので恐れ多い」と話す。このような形で取り上げられることが増え、年々注目を集めるようになったことで対策を受けることも増えたが「それでも強気で仕掛けることを意識している」と、対策を上回っていくメンタリティーを口にした。

 強行日程での決勝戦だったが、「このチームで優勝したかった」と喜んだ。来月に開幕するWEリーグを前に、決勝戦を終えて一夜明けた15日に中嶋は来年のパリ五輪に向けたアジア予選に臨むなでしこジャパンに追加招集された。そのドリブルで五輪への道を切り開くことが期待される。

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