「引き出しを増やしたい」 36歳の長友佑都、大学時代以来のCB起用に意欲的「必死で取り組んでいる」
中2日で試合も90分間フル出場
FC東京は9月6日に行われたルヴァンカップ準々決勝第1戦のアビスパ福岡戦に1-0で勝利し、公式戦で7年間勝利のなかった相手に先手を取った。3日前に行われた福岡とのリーグ戦(J1リーグ第26節/1-2)では左サイドバックでフル出場していたFC東京のDF長友佑都は、この試合で3-4-1-2の左センターバックに入り、完封勝利に貢献した。
9月3日に行われたリーグ戦、FC東京は開始2分で先制ゴールを許すと、引いて守備を固める福岡を攻め崩せなかった。この試合を経てピーター・クラモフスキ監督は布陣を4バックから3バックに変更。中2日ということで、ほとんど練習もできなかったが、本職はサイドバックの長友を左センターバックに、コンディション不良から戻ったばかりのDF森重真人を右センターバック、中央にDFエンリケ・トレヴィザンを配置して、見事に90分を無失点で終えた。
試合後のミックスゾーンで長友は「楽しかったですね。チーム全体としてシステムが変わっても対応ができたし、混乱なくやれたのは良かったです。試合前にすごくみんなとも話し合ったし、監督からもどういうふうにプレスに行くか、細かいポジショニングについても指示を受けていたので、混乱なくできたと思います」と、充実の表情を見せた。
連戦ということで、36歳の長友はこの試合を欠場するかと思われたが、先発出場したうえに90分間、不慣れなはずのセンターバックを務め切った。年齢を感じさせない長友だが、ポジション変更も2試合連続で90分間戦い抜けた要因だとポジティブに語る。
中2日だったが、まだ行けそうですねという記者からの指摘に、「全然、余裕ですね」と答えた長友は、浦和レッズのDF酒井宏樹が「中2日で疲れた」と言っていたことを聞かされると、「甘いですね。たぶん、言っているだけで本人は全然、疲れていないと思いますよ」と笑い、「でも、(僕は)コンディションがかなりいいので。中2日でも今日はセンターバックでしたし、サイドバックのほうがセンターバックよりも負荷が高いので。いつも激しいプレーをしている分、もちろんセンターバックも空中戦などの強度は高いのですが、インテンシティーはサイドバックのほうが高いので。強度的には慣れています」と、涼しい顔で言いのけた。
センターバックを務めたのは、「大学の時以来ですかね。プロになって公式戦ではないと思います。記憶にないです」と言う。それでもクラモフスキ監督からセンターバックに入るように言われた時も、「今の自分のコンディションならやれるなという自信は持っています。空中戦は、また難しい部分もありますが、そこは身体をぶつけたり上手く対応しながらっていう部分もありますし、フィジカルコンディションも良いので、逆に自分にとってはいいポジションかな。引き出しを増やしたいから、今必死で取り組んでいます」と、新境地を切り開くことに自信を見せた。
10日の第2戦で、再び長友がセンターバックに入れば、福岡がロングボールで狙ってくる可能性もある。インテル時代のチームメイトである元アルゼンチン代表DFハビエル・サネッティのようにポリバレントな能力を見せつけた長友の起用法は、ベスト4進出に向けた大一番で注目のポイントになりそうだ。