選手→若手指導へ 浦和の池田コーチが語るスコルジャ監督の人間性「これほどコミュニケーションをとる監督はいなかった」
オンライン会見に池田伸康コーチが出席
J1浦和レッズは8月30日に定例のオンライン会見を実施。今回は池田伸康コーチが担当し、「土田さん(土田尚史スポーツダイレクター)からもチームの雰囲気づくりをしてくれともあったので率先している」と話すなど、コーチングスタッフの中での役割やチームの一体感について話した。
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浦和を今季から率いるマチェイ・スコルジャ監督の方針で、定例会見ではコーチングスタッフが担当する回を設けている。今回は浦和の元選手であり、育成年代を中心に指導して昨年までユースチームの監督だった池田コーチの担当になった。
チームの立ち上げとなった沖縄県でのトレーニングキャンプでは、一際大きな声と明るい雰囲気を作る池田コーチの姿が目立った。スコルジャ監督が作るチームの輪郭がはっきりする前は、池田コーチの存在が昨季までと最も違う部分と感じられるような面もあった。
そんななか、自身では「根っから明るくて、周りを明るくしてしまうのは自分の長所だと思う。スコルジャ監督の下でタスクとしてやらなければいけないとも思う。土田さんからもチームの雰囲気作りをしてくれともあったので率先している。初めて一緒にやる選手が多いなかで戸惑ったけど、勇気をもって飛び込むことは心掛けた。挨拶から初めていこうと」と話し、少しおとなしい選手の多い印象のあるチームで存在が際立っている。
チーム内ではラファル・ジャナスコーチとともに攻撃面を担当するほか、若手や出場機会の少ない選手との居残り練習で個人能力を高めることが役割になっている。また、「選手に声をかけるのは1つのタスク。出場時間が短く並んでいそうな選手には積極的に声掛けしている。選手は孤独。競争して切磋琢磨しているなか、話を聞くだけでなくチャンスをもらった時に結果を出す願いも込めて」と、選手のモチベーションを保ちつつ、立場も理解できる“兄貴分”としての存在感も大きい。
スコルジャ監督のコーチングスタッフとの関係性について、池田コーチは「選手時代もコーチとしても、これほどコミュニケーションをとる監督はいなかった。非常に意見を聞いてくる。次の試合について、選手について、どういう選手を使いたいか、24時間サッカーのことを考えている。おのずとスタッフがこの人のために戦いたいと感じさせる監督だと思う」と話す。
そして、「マチェイさんは日ごろから一体感という言葉をよく使う。練習の中でも一体感、ワンチーム、ワンチームと。スタッフの仲間が良く循環していて、チームと選手にもいい影響をしていると思う。非常に仲がいいというか、楽しく仕事をさせていただいています」と、良好な関係性を言葉にしていた。
また、池田コーチはそのチームの雰囲気の良さの要因としてベテラン選手の姿勢を挙げ、「練習で100%やってくれているのが非常に大きい。試合に出られていない選手が多いなかでも愚痴を言わずにやれる。浦和レッズのあるべき姿だと思う。ベテランの選手が一番汗をかいて先頭で走って声をかける姿は浦和レッズを象徴している時間になっていると思う」と、その姿勢への感謝を話した。
チームの成長には戦術的な整理などの全体的なオーガナイズとともに、選手個々の成長も両輪として必要なもの。チーム全体の雰囲気づくりと若手の個人練習を担う池田コーチは、チームを底上げするところで大きな役割を果たしている。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)