大阪のジャパンツアー、チケット代は昨年から大幅値上げ メインスタンドで2万8000円→35万円に見えた課題【コラム】

大阪のジャパンツアー中に空席が目立ったヤンマースタジアム長居【写真:徳原隆元】
大阪のジャパンツアー中に空席が目立ったヤンマースタジアム長居【写真:徳原隆元】

試合後に香川が試合のチケット代に苦言「考え直してほしい」、昨年との違いは何か

 J1セレッソ大阪のMF香川真司は7月28日、フランス1部パリ・サンジェルマン(PSG)のプレシーズンマッチで後半の頭から途中出場し、決勝ゴールを挙げた。美しい一撃でC大阪は3-2の勝利。大阪では3試合が行われた今回のジャパンツアーでは、昨年に比べて課題が浮き彫りになっている。香川も苦言を呈した高額なチケット代。3試合通して空席が目立ってしまう事態に陥ったが、世界的なクラブを間近で感じるためにも今後の参考となりそうだ。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 香川が今回のツアーで主役になった。2-2の後半34分、ペナルティーエリア付近中央でパスを受けた香川は右足を振り抜いた。ボールは美しい軌道を描いて相手GKジャンルイジ・ドンナルンマの手が届かないゴール右隅へ。ビューティフルゴールでC大阪は勝ち越しに成功した。

 この日、ヤンマースタジアム長居に駆け付けた観客は3万2430人。この一戦に関してはメインスタンドのほとんどが特典付きのチケットで10万~35万円。中央からずれた前列のカテゴリー1で4万円、ゴール裏でも1万円にものぼった。収容人数5万人のヤンマーでは空席が目立った。

 ただ、それまでの2試合はもっと“ガラガラ”だった。初戦のPSG対アル・ナスルでは観客2万4532人、2戦目となったインテル対アル・ナスルは1万3805人。最寄りの地下鉄・長居駅に向かうまでの御堂筋線では試合開始2時間前でもユニフォーム姿のファンが少なかった。ヤンマーのキャパシティーだとこの3日間で最高15万人を動員が可能だったものの、3試合の合計は7万1667人と約半分ほどしか埋めることはできなかった。

 PSG戦の後、香川は「ここまで言う必要はないかもしれないけど……」と自ら切り出して、高額なチケット代について言及。価格の見直しを提言した。

「チケットの値段については考え直してほしい。これだけのチームが来てくれたなかで空席になっちゃうというのはやっぱり……。子供たちが見やすい価格で設定してくれたら。それはすごく残念に思っている」

昨年のPSG対G大阪はゴール裏が7000円からという値段設定だった

 また高額なチケットを購入して見に来た一戦でも、アル・ナスルFWクリスティアーノ・ロナウドは2試合連続で先発したものの、怪我明けだったPSGのブラジル代表FWネイマールはコンディションの問題もあり、2試合で出場がなかった。今回のツアーのメインビジュアルにも採用されていたPSGのフランス代表FWキリアン・ムバッペも去就問題があり、直前で来日が取りやめとなった。

 昨年、PSGと対戦したG大阪との一戦はゴール裏が7000円から。メインスタンドは前列でも2万8000円、上段になれば2万円だった。今年は10万~35万円となっており、大幅な値上げもファンを困惑させたかもしれない。

 欧州クラブの選手たちにとっては、厳しい日程のなか、酷暑の日本での調整となっている。より良いツアーにするためには、香川の話すようにチケット代の見直しから進めるべきかもしれない。

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