浦和復帰の宮本優太、半年間のベルギー挑戦で磨いた長所 酒井宏樹を超えるために求められるモノ

浦和の宮本優太【写真:轡田哲朗】
浦和の宮本優太【写真:轡田哲朗】

ベルギー2部デインズでの半年間を経て浦和へ復帰

 浦和レッズのDF宮本優太は、ベルギー2部KMSKデインズへの期限付き移籍から浦和に復帰した。登録ウインドーが開くのは7月21日のため、まだ公式戦には出場できないが、チームのトレーニングにはフル参加して登録完了後に向けて準備を進めている。4日の公開トレーニング後には「デインズで半年間やったことが失敗じゃなかったねと言ってもらえるように頑張りたい」と話している。

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 宮本は流通経済大学から昨季に浦和へ加入。その1年前にも強化指定選手として浦和のトレーニングキャンプに参加し、長距離走メニューで先頭を独走していく姿に当時のリカルド・ロドリゲス監督が「ランニングマン」と命名した。昨季のデビューイヤーにはDF酒井宏樹の負傷離脱時が中心になるもリーグ戦で15試合、公式戦22試合に出場。シーズン終了後にデインズへと半年間の期限付き移籍をして、満足な出場機会を得られたわけではないものの試行錯誤しながら努力を重ね、浦和への復帰になった。

 すでに浦和への合流自体は1か月ほど前からだが、「素直に思うのは楽しさですね」と笑顔を見せる。マチェイ・スコルジャ監督が今季就任しているチームについて「リカルド監督とも違ったスタイルで、半年間デインズでやらせてもらっているなかでも違った環境とスタイルだったし、新しい環境にトライする日々であり、自分がやってきた長所を生かせると思う。初めてのトライで言うと、左サイドバックもマチェイさんにやらせてもらっていて、『左でもできると思うからやってみよう』と話し合いで。いろいろとトライできていると思うし、運動量を求められることが多いので自分の良さを練習から出せば『いいぞ』と言ってもらえることもあるので、そうやっていきたい」と話した。

 プロ2年目でキャリアは1年半ほどだが、3人目の監督ということにもなる。「プレーしているのも自分だけではなく、サイドハーフがいてボランチがいてというもの。去年リカルド監督の下でしつこく言われたその関係性の部分は練習している時に常に意識しているし、練習試合でもそれを意識している部分が多いですね。いろいろな監督と出会えているし、その監督によって色が違うので自分のものに少しずつできているのかな」と手応えを口にする。そして、ベルギーで「筋トレは必ずするようにしていたし、チームのトレーニングでもやる中でプラスしてやっていた」と語る、特に上半身のフィジカル部分は見た目から明らかに変わっている。

得点に絡むプレーを意識

 浦和で出場するためには、酒井という大きな壁を乗り越えなければいけない。浦和のキャプテンにも就任した日本を代表するサイドバックについて「帰ってきてからもより宏樹さんの偉大さを感じた。自分自身、浦和の一員としてもっと勝利に貢献できるように。去年はそれが少なかったので、勝利に貢献していかなければ」と話す。そのための取り組みとして、「ゴール前のクオリティーやセンタリングは、言葉が通じない分、結果を残さなければいけないと思っていた。ベルギーでの練習試合でもアシストが増えたし、帰ってきてからの練習試合でもアシストができた。トレーニングでもいいシュートが打てているので、アシストだけでなく得点機会も増やせるようにやっていきたい」と、得点に絡むプレーを誓っている。

 一般にも公開されたトレーニングだけに、ルーキーイヤーの昨季につけていた「24番」のユニフォームを持っているサポーターを見て「本当に嬉しい」と笑顔。5月のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝はベルギーで見たという宮本は、「ファン・サポーターがどれだけプラスになっているかと感じている部分も多かった。期待に応えていきたいし、デインズで半年間やったことが失敗じゃなかったねと言ってもらえるように頑張りたい」と力を込めた。

 浦和の右サイドバックは、今季は酒井の欠場時に左利きのDF明本考浩が起用されることが多くなっていた。復帰した宮本にはチャンスがある環境とも言えるだけに、ひと回り成長した姿で右サイドを駆け抜けることが期待される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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