浦和GK西川は「素晴らしい選手」 痛恨のOGミスも同僚DFは信頼を強調「僕がここに来てから、シュウがミスしたのは初めて」
リターンパスを蹴り損なって同点ゴールを献上
浦和レッズのGK西川周作は6月24日のJ1リーグ第18節、川崎フロンターレ戦でバックパスをコントロールミスしてオウンゴールにしてしまう痛恨のミスがあった。そうしたなかで、「自分のミスで失点したとしても、試合中は何も考えないことを大事にしている」と話した。
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浦和は後半8分、MF関根貴大が相手GK上福元直人が飛び出してクリアしたセカンドボールを拾うと、そのまま約50メートルのロングシュートを決めて先制。しかし後半13分、最終ラインで少し窮屈なボール回しになると、DFマリウス・ホイブラーテンからのパスを受けた西川は、MF岩尾憲とのパス交換を選択。岩尾のリターンパスを左足で右足の前へコントロールしようとした際にボールを巻き込んでしまい、痛恨のオウンゴールになった。結果的に、このゴールで追い付かれた浦和は試合を1-1で引き分けることになった。
その瞬間のことを、西川は「ボールがまだ来ていないなかで、次のことを考えてしまったのがコントロールミスにつながってしまった」と振り返る。しかしながら、試合はストップしてくれないので、その時点で選手ができることは次のプレーを十分な質で行うこと。その点で西川はこのゲームを乗り越えたと言えるだろう。後半27分、川崎がカウンターで途中出場のMF瀬川祐輔が完全に抜け出すも、西川がタイミングよく距離を詰めて1対1でのシュートは枠外に飛んだ。
抜け出す際に瀬川のコントロールはやや長かったので、西川には飛び出す選択肢もありそうに見えるものだった。ただし、「今の埼スタの芝は少し長めで、ボールも伸びるところと止まるところがゴール前でもあると今シーズンやってみて少し感じるところ。その強弱は気をつけないといけないし、いけると思っても止まることもあるので、しっかり最後まで我慢強くっていうことは大事だと思っていた」と、冷静に1つ我慢したことで瀬川の選択肢を狭くしてシュートミスに追い込んだと言えた。
同僚ショルツは西川を擁護「本当に素晴らしい選手」
昨季に就任したジョアン・ミレッGKコーチの下で、西川はベテランと言われる年齢ながらも間違いなく進化している。今季も好調なプレーを続け、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝ではアル・ヒラル(サウジアラビア)の強力アタッカー陣のシュートを立て続けにセーブした。それだけに、2021年の夏に加入したデンマーク人DFアレクサンダー・ショルツは「僕がここに来てから、シュウがミスしたのは初めてです。それが許されるのはシュウのみだと思います。彼は本当に素晴らしい選手。(失点後に)またキックオフされた時には、シュウのミスはもう忘れていました」と、変わらぬ信頼を示した。
チームの勝利を引き寄せるファインセーブよりも、失点に絡むミスのほうがフォーカスされてしまうのはGKの宿命とも言える。それだけに、西川は「一番、試合をいい意味でも悪い意味でも左右する大事なポジションだと思うので、自分のミスで失点したとしても、試合中は何も考えないことを大事にしている。いいプレーをしても忘れましたし、そういった意味では試合を続くので、これは本当にいい学びとして自分の中で、自分がどうすれば良かったかっていうのはしっかり解決方法を考えてやっていきたい」と、ゲームの中で大崩れしないメンタリティーの持ち方を話した。
浦和ではすでに来年のパリ五輪世代を目指す世代ながらA代表の選出経験もあるGK鈴木彩艶も控えるだけに、次戦でマチェイ・スコルジャ監督がどのような判断を下すのかは分からない。結果に影響を与えるミスになってしまったのは事実だが、その後に何を見せられるかという点で西川は「ミスをしてもやり続けるというところは、サポーターを見てくれていると思う」と話していた。