経験者の今野泰幸が明かすザックジャパン崩壊の理由 なぜW杯で「自分たちのサッカー」は破綻したのか?

今野泰幸にとって2度目のW杯はほろ苦い大会に終わった【写真:Getty Images】
今野泰幸にとって2度目のW杯はほろ苦い大会に終わった【写真:Getty Images】

【2014年ブラジルW杯戦記|今野泰幸】レギュラー格で大会を迎えるも“守りの姿勢”がアダに…

 今年11月、いよいよカタール・ワールドカップ(W杯)が開幕する。森保一監督率いる日本代表はグループリーグでスペイン、ドイツ、コスタリカと同グループとなり、“死の組”とも言われる厳しい状況のなか、史上初の大会ベスト8入りを目指す。

 7大会連続となる世界の大舞台。これまで多くの代表選手が涙を流し、苦しみから這い上がり、笑顔を掴み取って懸命に築き上げてきた日本の歴史だ。「FOOTBALL ZONE」では、カタール大会に向けて不定期企画「W杯戦記」を展開し、これまでの舞台を経験した人物たちにそれぞれの大会を振り返ってもらう。2010年、14年とW杯を2回経験した今野泰幸(南葛SC)が、自身2度目の出場となったブラジル大会を回想する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史)

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 ブラジルW杯は、本田圭佑や長友佑都(現FC東京)が「優勝」を謳って挑んだ大会だった。

 自身2度目のW杯となった今野は、2010年8月に日本代表の指揮官に就任したアルベルト・ザッケローニ監督の下、センターバック(CB)のレギュラーを担って予選を戦い、本大会のメンバー入り。しかし、グループリーグ初戦のコートジボワール戦(1-2)で、吉田麻也(現シャルケ)のパートナーとしてスタメン出場したのは森重真人(現FC東京)だった。今野自身、2010年の南アフリカ大会と自分の状況が大きく変わったなかで、「守りに入ってしまった」と反省の弁を述べる。

「南アフリカ大会の予選はスタメンではなく、試合終盤に途中出場する感じでした。ブラジル大会はレギュラーという形で予選をほぼフルで戦えました。ただ、予選はすごく調子が良かったなかで、2014年に入って妙にプレッシャーを感じてしまったり、『このまま無難にプレーしていたらW杯でもレギュラーになれる』と守りに入ってしまった。W杯は一度経験していましたけど、メンタルの持って行き方を間違ってしまいました」

 日本はコートジボワール戦、前半16分に本田がゴールを決めて先制。しかし、後半17分にコートジボワールのディディエ・ドログバが投入されると、同19分から3分間で2失点を喫し、そのまま1-2で敗れて無念の黒星スタートとなった。

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