ソシエダ久保建英に試練? 怪我のエース復帰間近…W杯後に熾烈なポジション争いも 現地記者が指摘「苦しむことになるだろう」

ホームスタジアム「アノエタ」【写真:高橋智行】
ホームスタジアム「アノエタ」【写真:高橋智行】

絶対的エースの帰還で、ソシエダにどのような化学反応が起きるか注目

 続けて、「タケはここまで監督が求めるすべてのポジションに適応できている。そのため4-3-3や4-4-2のどちらが採用されたとしても、インサイドでもアウトサイドでもプレーできるはずだ。さらに4-3-3の場合、ウイングだけでなく、より高い位置でプレーするインサイドハーフとして起用される可能性もあるだろう。彼にはさまざまなオプションがある」とそのポリバレントな能力を高く評価した。実際、久保はプレシーズンマッチですでに4-3-3の右インサイドハーフとしてテストされており、チームで最も多くのポジションを経験している選手と言えるだろう。

 オヤルサバルは復帰の最終段階に入っているが、アルグアシル監督が今月5日の会見で「招集メンバー入りはまだかなり先のこと」と全く急ぐつもりがないことを示唆したため、現時点でいつ復帰できるのか実際にはまだ分からない。そのほか、FW陣ではウマル・サディクがほぼ今季絶望の怪我を負っており、モハメド=アリ・チョーやアンデル・バレネチェアも故障中。一方、カルロス・フェルナンデスが先日、15か月ぶりに戦列復帰したがまだ本調子とは言えない。

 そのため少なくとも年内、久保がアルグアシル監督指揮下でレギュラーの座を維持する可能性は非常に高く、本格的に熾烈なポジション争いが開始されるのはワールドカップ(W杯)後になると思われる。

 攻撃のポジションをひと枠占める可能性の高いオヤルサバルの復帰は久保にとって試練になるかもしれない。しかし絶対的エースが戻ることでチームにどのような化学反応が起こるのか、そしてオヤルサバルと同じピッチに立つことで久保がどのような刺激を受けるのか非常に楽しみである。チームの顔であるオヤルサバルが復帰した時、本当のソシエダを見ることができるだろう。

(高橋智行 / Tomoyuki Takahashi)



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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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